堺市 図書館トップページ調べもののページ> 「図書館で解決!?」第29号 堺の伝統産業
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堺は 「ものの始まりなんでも堺」と言われ、日本を代表する歴史や文化の始まりの地とされています。堺には、多くの伝統産業が今なお受け継がれています。

伝統を受け継ぐ技術は、まさに“匠の技”と言えるでしょう。日本の文化や風習を守り、次の世代にも残していくのは、誇らしいことです。

堺市では、卓越した技術や技能を持つ職人さんを 「マイスター」として認定し、多くの人にものづくりの楽しさや魅力を知ってもらう取り組みをしています。


カット:匠技職人ハテナちゃん 目次

どんなものがあるのかな?

 堺の伝統産業として、刃物、自転車、線香、和ざらし、堺手織段通(だんつう)などが有名です。まずは、どんなものがあるのかを調べるのにおすすめの本を紹介します。
 図書館では地域資料コーナーをご覧ください。見つからない場合は、職員にお尋ねください。

『堺の伝統産業』    堺市中小企業振興会 2003

堺の伝統産業がコンパクトにまとまっていて調べ物にも使えます。図や写真がたくさんあり、とても見やすく、それぞれの伝統産業のインフォメーションやデータも記載されている1冊。小学生が調べる本として最適です。中国語版・ハングル版・英語版もあります。

『堺の伝統産業』    堺市経済局工業課/編 堺市経済局 1985

伝統産業のうち、自転車、刃物、敷物、注染(ちゅうせん)和晒(わざらし)、線香についてとりあげています。明治・大正・昭和の統計資料が充実していて、それぞれの歴史がくわしくわかります。

『マンガ堺の伝統産業』    財団法人堺市中小企業振興会 1988

「自転車」「刃物」「敷物」「和ざらし・ゆかた」「線香」「昆布」について、ストーリー仕立てのマンガでわかりやすく解説しています。

『堺まちかどミュージアム』    堺まちかどミュージアム推進委員会 1999

堺のいろいろな伝統産業の製作所やショールームなど、見学できる施設の案内です。金太郎がまたがっているデザインが特徴の“堺五月鯉幟(こいのぼり)”も載っています。休業日や予約が必要かどうか、最寄り駅等の情報もあり便利です。

『伝統産業 堺いち』    堺市産業振興局商工労働部ものづくり支援課 2011

堺の伝統産業を受け継いだ現在の職人たちの想いや言葉が込められている1冊です。それぞれの伝統産業に関する豆知識もあり、カラーの写真入りです。巻末には各業界の問い合わせ先がついています。

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もっとくわしく調べてみましょう

ひとつのテーマを掘り下げるには、どんな本があるでしょう?専門的なものもありますが、ピンポイントでの調べ物には役立ちます。

『むらさき 堺の醬油屋 河又・大醬200年のあゆみ』  河又株式会社/編 東京経済 2000

江戸期から平成期に渡る醤油づくりのあゆみが、その時代ごとに当時の写真や絵などを交えて書かれています。

『堺刃物組合連合会史』  堺刃物組合連合会 1980

堺の伝統産業である刃物について書かれた1冊です。製造工程や、堺と刃物の歴史について、書かれています。

『おかあさんのほうちょう』  島田アツヒト/絵と文 講談社 1982

包丁の作り方がくわしい絵で描かれています。絵本ですが充実した内容で、小学生にもおすすめです。

『包丁の基礎知識』  味岡知行/監修 堺刃物商工業協同組合連合会 201

堺の刃物は昔から全国的にも有名で、プロの料理人が使用するほどです。この本では、包丁の研ぎ方や取扱いについて、説明されています。

『堺昆布加工業協同組合創立40周年記念誌』  堺昆布加工業協同組合 1994

堺の昆布の変遷や加工技術が満載の記念誌。おぼろ、むきこみとろろを製造する時には特殊な刃物を使います。堺が刃物の名産地であったことも、堺の昆布加工が盛んになった一因と言われています。

『堺の自転車屋さんご案内処』  堺の自転車販売拡大会議 2010

環境にやさしい乗り物として見直されている自転車。堺の自転車屋さんを紹介しています。自転車に関する豆知識や製造工程も知ることができます。

『堺緞通(だんつう)  角山幸洋/著 関西大学出版部 1992

百年以上の伝統を持つ堺緞通は、明治期までは重要輸出品でした。当時の緞通関係法規や統計が豊富な1冊です。


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盛んだった伝統産業

 中世の美原地域には多くの鋳物師が住んでいました。鋳物師については、「図書館で解決!?第22号」をご覧ください。
 その昔、堺では鉄砲づくりが盛んでした。その技術から作ったものとして、望遠鏡・万年筆・照明器具などがあり、今の自転車製造にもつながっています。

『火縄銃紀行 ガンロード(鉄砲航路)』  二宮要/著 ホウユウ 2008

戦乱の世から、天下統一のきっかけとなった鉄砲。ポルトガルから海を渡り、どのように堺へとやって来たのでしょう? その歴史と冒険が描かれています。


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ビデオ・DVDもあります

映像なら、よりわかりやすく知ることができます。

『謎にアクセス 堺の伝統産業』    堺市/企画・著作 堺市中小企業振興会 2004
『ものづくりに夢を追って 堺シティレポ』    堺市/企画・著作 堺市 2009

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Webサイトの情報もあります

堺市立図書館 デジタル郷土資料展
  https://www.lib-sakai.jp/kyoudo/kyo_digi/kyo_digimoku.htm  
魅力あふれる自由都市・堺 (堺市ホームページ)
  https://www.city.sakai.lg.jp/kanko/sakai/index.html  
カット:火縄銃をめでるハテナちゃん
堺観光ガイド
  https://www.sakai-tcb.or.jp  
(堺市優良観光みやげ品)
  https://www.sakai-tcb.or.jp/souvenir/  
堺HAMONOミュージアム
  https://www.sakaihamono.or.jp  
自転車博物館
  http://www.bikemuse.jp  
堺市立図書館 「図書館で解決!?」第12号 自転車のまち・堺市
  https://www.lib-sakai.jp/link/pf/pf012.htm  
堺線香工業協同組合
  https://www.sakaisenkou.net  
ものづくりサポート“製造業振興グループ”
  https://www.pref.osaka.lg.jp/mono/seizo/list826.html  

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その他にも、参考になる本があります。

『歴史たんけん堺』    大阪歴史教育者協議会堺支部 2011
『グラフさかい View vol.68』    堺市広報課/編集 堺市広報課 2010
『わたしたちの堺』
   堺市立中学校教育研究会社会科部会/編集 堺市教育委員会 2011
『むかしの堺』    別所やそじ/共著 堺児童文化振興会 1982   電子書籍版
『むかしの堺 続編』    別所やそじ/共著 堺児童文化振興会 1982   電子書籍版

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キーワードで本を探す

「刃物」×「堺市」
「線香」×「堺市」
「鉄砲」×「堺市」 など
 これらのキーワードを「件名」で組み合わせて図書館ホームページや館内の検索機(OPAC)に入力し、検索してみてください。
 分類番号(刃物なら581)×「堺市」でも検索できます。


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堺の伝統産業の分類番号

堺の刃物 (分類番号 581)
 堺に住んでいた梅枝(うめえ)七郎右衛門(しちろううえもん)が、刀づくりをやめて、たばこ包(庖)丁を作るようになり、その子どもの作左衛門(さくざえもん)が、京都へ売りに行った時、この包丁が、砂岩(さがん)を割ったことから「石割(いしわり)包丁」とよばれるようになりました。
 堺でこの包丁を作る人がふえて、組合を作り、幕府から「堺極(さかいきわめ)」というしるしを包丁に刻むことがゆるされました。
 1758年に堺町奉行の池田(いけだ)筑後守(ちくごのかみ)正倫(まさのり)は、堺で作られたたばこ包丁を全部買い上げて、これを幕府の力で全国へ売りさばくことにしました。こうなると個人で包丁を売ることができなくなりましたが、これが、堺包丁・堺刃物の名を全国に広めることになりました。
  「わたしたちの堺」より
堺の鉄砲 (分類番号 559)
 堺の商人であった橘屋(たちばなや)又三郎(またさぶろう)は、種子島にわたり12年間もとどまって鉄砲の作り方を習い、堺に帰って鉄砲を作り出しました。以後、信長・秀吉・家康らが、堺の鉄砲鍛冶屋に、多くの鉄砲を注文しています。江戸時代になっても、1年間に1万丁以上の鉄砲が作られていました。
  「わたしたちの堺」より
(さかい)緞通(だんつう) (586)
 堺の藤本(ふじもと)庄左衛門(しょうざえもん)が、中国緞通や九州の鍋島(なべしま)緞通のよいところをとり、1831(天保2)年に堺緞通と名づけて売り出したのがはじめといわれています。
  「わたしたちの堺」より
線香 (589)
カット:線香ハテナちゃん 天正のころ(1573~1591)堺、宿屋町大道の薬種商小西(こにし)弥十郎(やじゅうろう)如清(じょせい)行長(ゆきなが)の兄)が、朝鮮で線香のつくり方をならって来て、堺でつくりはじめたのが、わが国の最初といわれています。
  「むかしの堺 続編」より

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(ご紹介した情報は、平成23年8月3日現在のものです。)