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「図書館で解決!?」第22号
美原を知る(古代~昭和)
堺市立図書館
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平成17年2月、堺市と美原町が合併、翌18年4月の区制への移行に伴い、美原区となりました。古くから交通の要衝であった美原には、国指定の史跡である黒姫山古墳をはじめ、見どころがたくさんあります。地域にまつわる物事や著名な人物を、時代を追っていくつか紹介します。美原について知りたい人も、ふるさと美原を再発見したい人も、この地域の歴史と文化に触れてみてください。


カット:河内鋳物師が作った鐘をつくはてなちゃん 目次

美原の由来

 昭和31(1956)年、町村合併促進法に基づいて、黒山村、丹南(たんなん)村、平尾村の三村が合併して美原町が誕生しました。 『美原町史』第1巻には、「黒山、平尾、丹南村は平地にあるので“三つの原”の意味から『三原町』という提案もあったが、他府県に同じ名称があるので音*を変えて『美原町』となった」(p1108)と記されています。 [*註:「音」=「表記」の意味かと思われる]

●堺市立みはら歴史博物館(M・Cみはら)

「河内鋳物師」の活躍の様子や黒姫山古墳の出土甲冑などを展示しています。
http://www.city.sakai.lg.jp/kanko/hakubutsukan/mcmihara/index.html

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黒姫山(くろひめやま)古墳(こふん)(古代)

 美原区黒山にある全長114mの前方後円墳です。後円部の埋葬施設が盗掘にあっているため、被葬者は明らかではありません。当時この辺りを支配していた豪族、丹比(たじひ)氏の首長という説が有力です。前方部中央の石室からは24もの甲冑が出土しました。日本では最多の出土量で、1957年に国指定文化財になっています。

『黒姫山古墳とその時代』  美原町立みはら歴史博物館/編 美原町立みはら歴史博物館 2003
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河内(かわち)鋳物師(いもじ)(中世)

 鋳物師とは鋳造技術者のことです。中世の美原地域には多くの鋳物師が住んでいました。彼らを河内鋳物師といいます。美原町やその周辺から多くの鋳造関連遺跡が見つかっています。彼らは梵鐘などの仏具から鍋や釜などの生活必需品まであらゆる鋳物を作りました。12世紀から13世紀にかけて鋳造された梵鐘の6割が河内鋳物師の作品であるといわれています。

『河内鋳物師の歴史と技術』  美原町教育委員会 1986

 美原町政施行30周年を記念した、研究者による講演会の記録です。

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赤猫(あかねこ)(近世)

イラスト:赤猫をたべる猫はてなちゃん

 赤猫とは、半夏生(はんげしょう)(太陽暦の7月2日頃)のころに作られた名物の小麦だんごのことです。小麦のだんごを黒砂糖をといた甘汁につけ、きなこをつけて食べます。その茶褐色の色合いが名前の由来かといわれていますが、はっきりしません。

『ふるさとの年中行事』  美原町郷土研究会 1978

 美原町郷土研究会が地域の古老を訪ね、美原地域に伝わるしきたりなどをまとめたものです。

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幻の狭山鉄道(近代)

 明治の半ばごろ、狭山から平尾・黒山を経由して天王寺に至る狭山鉄道の建設が計画されたことがありました。平尾村の出水(でみず)弥太郎(やたろう)が中心となり、1896(明治29)年、狭山鉄道設立の願書を提出しましたが、逓信省(通信及び交通運輸の行政を総括した官庁)に却下されました。

『美原町史』1巻  美原町 1999 p962~973
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伊東(いとう)静雄(しずお)(昭和)

 伊東静雄(1906-1953)は長崎県出身の詩人です。京都帝国大学(現在の京都大学)を卒業後、大阪府立住吉中学校に赴任し、生涯を教師として教育に携わりました。1945年、堺市三国ヶ丘の自宅が空襲で全焼したため、南河内郡平尾村菅生(すごう)(現在の美原区菅生)の高岡家に疎開。その後、南河内郡黒山村北余部(きたあまべ)(現在の美原区北余部)に転居し、一時途絶えていた詩作を再開しました。第四詩集『反響』に収録されている「夕映え」には現在も北余部にある十字路に立つ地蔵の祠が詠まれています。

作品

『反響』  伊東 静雄/著 竹林館 2005 [1947年刊初版の復刻版]

『伊東静雄日記』  伊東静雄/著 思潮社 2010


評伝

『詩人伊東靜雄』  小高 根二郎/著 新潮社 1971

『伊東静雄と大阪/京都』  山本 皓造/著 竹林館 2002


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美原の歴史・史跡を知る資料

『美原町史』   美原町史編纂委員会/編 美原町 1987~2004

 全5巻。1巻本文編、2巻~4巻史料編、5巻別編

『美原のあゆみ』   池下 裕造/編 美原町 1972

 古代から昭和46年までの美原地域の歴史年表。美原の歴史が一覧できます。

『美原の歴史』第1号~4号   美原町教育委員会 1975~1980

 美原町史のもとになりました。第4号には美原地域の明治期の地図や空中写真が掲載されています。

『美原町 歴史散歩』   美原町企画課/編 美原町 1984

 黒姫山古墳、菅生神社など、美原地域内の史跡が解説されています。

『美原 わが心のふるさと』   美原町 2005

 美原のすべてについて、コンパクトにまとめられています。

『美原 みどりのまち・水のまち 歴史のまち・文化のまち』   美原町 1977

 美原地域の文化財や史跡、現存する道標などが写真入りで紹介されています。

『うるおいのある町 1集』   美原町社会同和研究会 1978
『きり絵美原八景 きり絵画家加藤義明が描く』   美原郷土研究会/編 美原郷土研究会 1988

 美原地域の文化財や史跡、現存する道標などが写真入りで紹介されています。

画像:美原かるた
<美原かるた>
『美原かるた』   中谷 權二郎ほか/監修 堺市教育委員会 2009

 楽しみながら美原の歴史を学べます。1996年発行のものを改訂しました。

『大阪府史蹟名勝天然記念物』第一冊   大阪府学務部 1974

 初版は1931年。第一冊に南河内郡の史蹟が収録されおり、美原地域の史蹟も多く紹介されています。

『河内名所図会』   秋里 籬嶋/著 柳原書店 1975

 享和元年刊の復刻。

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(ご紹介した資料は、平成22年 9月 9日現在の情報です)

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