堺市 図書館トップページおすすめ!ブックリストおもしろBOOKS探偵帖> 2007年 
もどる
さかな  おもしろBOOKS探偵帖2007年  さかな

ノンフィクション

おばあちゃんが、ぼけた
村瀬 孝生/著 理論社

 第2宅老所よりあいの所長、村瀬さんはさまざまなお年寄りと出会いました。H2Oじいさん、花盗りばあさん、ジョーズばあさんなど個性ゆたかなお年よりたちは老いのゆっくりタイムを生きています。
ユーモアあふれる文章を読み進むうち、「老いる・ぼける」ことを考えさせられる本です。

大人味のパウンドケーキ−本格派、でも失敗しないおやつレシピ25
江上 佳奈美/著 世界文化社 

 お菓子作り初心者の私が9つのレシピを実際に試してみて、全て成功したおすすめの1冊です。パウンド型1つあれば、おいしいケーキが簡単に焼けます。あなたも、”大人味”にチャレンジしてみませんか。ふわふわケーキで、きっと幸せな気分になれるはず!

クワタを聴け!
中山 康樹/著 集英社

 サザンオールスターズのメインヴォーカルで、多くの曲を創っている桑田圭祐の350作品以上を解説した本です。超辛口から大絶賛の曲まで、評価はいろいろです。あなたの好きな曲はどうなんでしょう?曲に関する裏話とかも書いてあります。音楽も聴きつつ、家族で楽しんでみてください。

気分はもう、裁判長
北尾 トロ/著 理論社

 裁判って、入場無料で誰でも見ることができるって知ってた?この本は、まだ裁判を見たことがない人のためのガイドブック。離婚裁判や殺人事件などいろいろな例でわかりやすく解説しているよ。裁判なんて関係ないって思わないで、読んでみて!

世界を信じるためのメソッド
森 達也/著 理論社

 僕たちの世界観は、テレビや新聞などのメディアによって作られてしまう。でも、メディアは間違えたり、同じ事実でも違うように伝わったりしてしまう。じゃあ、僕たちはどうやってメディアと関わっていけばよいだろうか?この本を読んで考えてみよう。

名探偵事典 日本編
郷原 宏/著 東京書籍

 主人公として魅力的な人物=名探偵という観点から選ばれた名探偵を、警察関係、弁護士・検事、私立探偵などの職業にジャンル分けし、その経歴や活動内容、性格、ひいては、生みの親の作者についても言及している。
 タイトルから、ミステリーファンのための本かと思いきや、実はあまりミステリーを読んだことのない人のための入門書。あわせて海外編もどうぞ。

犬の十戒」 長谷川 理恵/訳〔著〕 日本文芸社
虹の橋」 葉 祥明/絵・訳 佼成出版社

 最近流行している「千の風になって」という歌があります。でも、この歌が流行るずっと前からインターネットの中で語られている詩があったのです。
 それは、犬の十戒(鳥などのバージョンもあります)と虹の橋。
 どちらも作者不詳で元は英語なのですが、生き物とともに暮らしている人々の間ではとても有名で、たくさんの人がお別れしたペットへの想いをこめて、思い思いに翻訳していました。そして、虹の橋には本には語られていない続きもあります。「雨降り地区」のお話も身につまされます。
 犬でも猫でも小鳥でも虫でも、生き物とくらす人にはぜひ知っていただきたい詩です。

働くということ」  
日本経済新聞社/編 日本経済新聞社

 人間は昔から様々な方法で生きる糧を手に入れてきました。はるか古代においては狩猟によって、また田畑を耕すなど。そういった行為は現代では労働によって現金収入を手にするというふうに変化しています。そして「働くこと」そのものの概念が多様な時代になっています。この本にはいろんな職種の、また様々な事情を経験した人たちが登場します。正解や普遍の定義はありません。ただ一度の人生で道を選ぶ時に「迷った時に、こうした人がいたよ」ということを教えてくれています。

百怪図譜 京極夏彦画文集
京極 夏彦/著 講談社

 京極夏彦の小説を、作者自ら絵と文で解説した画文集です。ちょっと江戸時代の妖怪本を思わせるタッチで、いかにもこんな妖怪おるんちゃう?という出来栄え。水木しげるさんとはまた違う妖怪ワールドを堪能してください。

ご当地コスチュームキューピー完全カタログ700
世界文化社

 あのかわいいキューピーさんたちが、ご当地を代表するコスチュームで勢ぞろい。日本全国のみならず海外まで、よくぞこんなに集めました。「こんなんあり〜?」「キモ〜ッ!!」などと言いつつも、ご当地に行ったら探してみようと心ひそかに狙っている私です。
 あなたは、どのキューピーに心引かれるでしょうか。

素数ゼミの謎
吉村 仁/著 文芸春秋  

 セミは不思議な生き物です。日本にいるセミは、幼虫の間6〜7年地中にいて、地上に出てきて羽化してからわずか2週間ほどの間に「ミーンミーン」と鳴き交わし(鳴くのはオスだけ)交尾をして死んでいきます。ところがアメリカでは、13年または17年間も地中でくらす「素数ゼミ」というのがいるのです。13年あるいは17年に一度の大発生の年には、何十万匹のセミが一度に鳴き出します。どうしてこんな長い年月をかけて成虫になるのでしょう?

フリーという生き方
岸川 真/著 岩波書店

 会社につとめることを選ばないで「フリー」という生き方を選んだらどうなるの? 「格差社会」や「下流」ということばがあふれる中、社会の階層化が進んで、就職できる人は厚遇されてもいます。
 「だけど人生は冒険です、もう頑張るしかない」という著者と一緒に「フリーという生き方」を選んだ人について考えてみましょう!

干潟の図鑑
日本自然保護協会/編 ポプラ社 

 「干潟」とは潮が引いた時に現れる泥が積もった海岸のこと。「生き物のゆりかご」と呼ばれるほど干潟は様々な生き物を育みます。
 水の浄化機能も高く、優れた漁場でもある干潟…。
 この本では日本にある45箇所の干潟(大阪は3箇所)が紹介されています。アサリ、カニ、エビ、魚、野鳥…様々な生き物を観察しに、干潟へ行ってみませんか?

あやつられ文楽鑑賞
三浦 しをん/著 ポプラ社 

 文楽ってこんなに面白いものだったのか。大夫と三味線と人形の三業からなる文楽は、とても人間味のあふれるもので、『女殺油地獄』や『仮名手本忠臣蔵』など、こんな見方があったのかと目から鱗です。直木賞作家が文楽にはまった、今すぐ文楽を見に行きたくなる興味津々の本です。

先生、巨大コウモリが廊下を飛んでいます!
小林 朋道/著 築地書館

 鳥取環境大学という自然に囲まれた場所で起こる、人と生き物との出会いやエピソードが綴られている。生物好きにはたまらない環境だ。この本を読むと、ちょっと意識すると私達の周辺にも結構いろんな生物がいること、そこで人と生物が共生しているということに気づくことだろう。

フェルマーの最終定理 ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで
サイモン・シン/著 青木 薫/訳 新潮社

 数学は好きですか?嫌いですか?300年以上も前にひとりの数学者がメモに記した定理の証明に多くの人がずっと挑戦しつづけてきました。これは、数学についてのお話というより、謎を探求してきた人々についての物語です。
 数字を美しいと感じる数学好きの人だけでなく、数学なんて何が面白いんだと思う人にもおすすめです。

おいしいハンバーガーのこわい話
エリック・シュローサー/著 チャールズ・ウィルソン/著 宇丹 貴代実/訳  草思社

 ハンバーガーは好きだよね! ファーストフードはおいしい。ファーストフードは安い。ファーストフードは手軽だ。常識だよね。
 でも、本当に安いのかな? カロリーはどのくらいあるか知ってる? 添加物の安全性は? 食材工場の実態は? いつの間にか食べているハンバーガーの本当の姿を一度覗いてみませんか

翻訳家じゃなくてカレー屋になるはずだった
金原 瑞人/著 牧野出版

 翻訳した本の数は200冊以上、勤務する大学では「創作ゼミ」を持ち(社会学部なのに)、古橋秀之、秋山瑞人という作家を輩出、「読むよりも訳すほうが早い」と噂されるけど、本人曰く日本語を英語にする=話すのは苦手。そんな翻訳家金原瑞人のエッセイ集。
 出版の裏話から「I」をどう訳すか?翻訳家になるには?といった英語に関する話も楽しめる1冊。

みんなで考えよう世界を見る目が変わる50の事実
ジェシカ・ウィリアムズ/著 酒井 泰介/訳 草思社

 「日本女性の平均寿命は85歳。ボツワナ人の平均寿命は34歳。」ほか、明るい話題から深刻な話題まで50の切り口で世界のいまとこれからを解説。中には衝撃的な事実もあるが、これをきっかけに世界のことを考えてみませんか。2005年刊『世界を見る目が変わる50の事実』を若者向けに編みなおしたビジュアル版。

話し上手聞き上手
斎藤 孝/著 筑摩書房

 人間関係に悩んでいる人はいませんか? 人間関係っていうのは「話すことと聞くこと」の上手下手がポイントらしい。この本にはそれらが上手になるためのノウハウが詰まっています。この本は少し緊張感を持って読んでください。
 なぜならいきなり課題が出るから。
 「課題2つめ『自分が話せる中で最も性格と教養にあふれた話を3分間で話してください。』」

差別と向き合うマンガたち
吉村 和真/田中 聡/表 智之/共著 臨川書店

 わたしたちはマンガが大好きです。そのマンガの中に、「差別」が隠されているのか?
たとえばこの本では、第1章 マンガと表現(金髪で八頭身の鉄郎はいない!?)などわかりやすく解説しています。そして、
@「マンガを読むこと」で身に付けてしまう価値観や感性とは?
Aマンガは過去の人々や時代をどのように描いてきたか?
Bマンガは差別を考えるために役に立つのかどうか?
の3つの観点からマンガと差別の問題にせまります。
よみもの(日本)

きみの友だち
重松 清/著 新潮社

 「いなくなっても一生忘れない友だちが、一人、いればいい」そう言った恵美ちゃんと由香ちゃんの出会いと別れを軸に、それにかかわる何人かの子どもたちの話を「僕」が語る連作。友だちとの嬉しいこともつらいことも、いつか大切な思い出になる。悲しいのは思い出が何も残らないこと・・・。

Sweet Blue Age
有川 浩 他/著 角川書店

 聡子が合コンで出会ったハルは潜水艦乗りだった。会いたくてもあえない、携帯も通じない、今どこにいるのかさえわからない究極の遠距離恋愛のゆくえは?(『クジラの彼』 有川浩/著)
 「夜は短し、歩けよ乙女」私はつぶやいた。偽電気ブランを求め、愛に満ちたおともだちパンチをひそませ、夜の町をさまよい歩きながら・・・。(『夜は短し、歩けよ乙女』 森見登美彦/著)
 そのほか、角田光代、坂木司、桜庭一樹、日向蓬、三羽省吾、の描く「青春」ものがたりです。

配達あかずきん 成風堂書店事件メモ
大崎 梢/作 東京創元社 

 駅ビル内の書店・成風堂に、近所の老人から頼まれたと本を探しにお客さんがやってきた。メモには「いいよんさんわん」と書かれている。いったい何の本なのか?しっかり者の書店員・杏子と不器用だけど勘の良いアルバイト店員・多絵が、本をめぐる謎に取り組む。

「一瞬の風になれ  1イチニツイテ  2ヨウイ  3ドン
佐藤 多佳子/作 講談社  

 サッカーでなかなか芽が出ない新二、天才スプリンターの素質があるのにやる気のない連。幼なじみの2人は、特に強くもない高校の陸上部に入部した。どこまでも速くなりたいと練習に打ち込む新二は、仲間やライバルとかかわりながら、トップをめざす。

春期限定いちごタルト事件
米沢 穂信/著 東京創元社

 名探偵になんかなりたくない。僕らは小市民として日々を穏やかに過ごしていきたいだけなんだ。なのになぜか事件が起きて、目立ちたくない僕らの邪魔をするんだ…「小市民道」を志す小鳩くんと小山内さんの高校生活、春の巻。読むとおいしいスイーツが食べたくなりますよ。

「獣の奏者 1闘蛇編 2王獣編
上橋 菜穂子/作 講談社  

 母親が死刑になり孤児となった少女エリンは、なんとか逃げ延びて蜂飼いの男ジョウンに助けられ、ともに生活することになった。そこでエリンは空を飛ぶ王獣を見かける。その美しさに王獣の医師になろうと決心するが、王獣と心を通わせることができるエリンは、王国の命運とかかわることに…。

チーム・バチスタの栄光
ナイチンゲールの沈黙
海堂 尊/著 宝島社 

 現役の勤務医が放つメディカルエンターテイメント。
 大学病院の天才心臓外科医・桐生助教授率いるバチスタ・チーム。超・難関な手術も驚異の成功率を誇るが、ここ最近、3例立て続けに術中死が起こる。原因を探るべく、手術ミスの調査をすることになったのは、出世にはとんと興味のない“愚痴外来”担当の田口公平医師だった。
 ガラス張りの手術室で、いったい何が起こったのか?
 『ナイチンゲールの沈黙』は『チーム・バチスタの栄光』に続く第2弾。
 小児科の看護師・浜田小夜は眼球に発生するガンのために、眼球を摘出する子どもたちのメンタルケアに不定愁訴外来の田口医師を訪れるが、そのさなか、患児の父親が殺される。
 前作同様、今回も愚痴外来田口医師とロジカルモンスター白鳥の名コンビが活躍する。
(白鳥は一度読めば忘れられない濃いキャラだよ

風が強く吹いている
三浦 しをん/著  新潮社

 新春箱根大学駅伝を知っていますか。高校時代に足を痛め挫折していた清瀬が、走るために生まれ、走ることのみを愛し、問題を起こし、無名の大学に入学した「走(かける)」と出会う。そこから始まる箱根への補欠なし、素人ばかりの無謀な挑戦。次々と生じる試練。純粋に走ることからつかみとった思い。一気に読み終えてしまえます。

ムツゴロウの放浪記
畑 正憲/著 文芸春秋

 ムツゴロウこと畑正憲氏といえば、皆さんはどのようなイメージを持っていますか。動物好きの優しそうなオジサンという位にしか、私はこの本を読むまで思っていませんでした。学生結婚をしたものの、研究生なので収入もなく、パチプロとして生活費を得たり、とうとう生活に行き詰まってしまうと妻を郷里に戻し、自分は街の中をあてもなくさまよい、自殺さえ考えたり・・・。
 あのテレビで見る明るい人柄からは思いもしなかった様々な厳しい体験をされている姿を知り、改めてムツゴロウ氏の魅力を感じた一冊です。この本のシリーズとして『ムツゴロウの少年記』『青春記』『結婚記』もあります。

青春小説傑作選『14歳の本棚』」
@部活学園編 A 初恋友情編 B 家族兄弟編
北上 次郎/編 新潮社

 身体は充分大人なのに、精神的には、まだそうとは認められない。いつも少し無理をし、背伸びをし、つま先だって歩いているような14歳。   
でも、感性は研ぎ澄まされ、感情の振幅は大きく、大人のエゴやずるさは許せない。矛盾を一杯抱えた時代。
この叢書にはそんな14歳の主人公が登場する。
 文芸評論家の北上次郎氏(『本の雑誌』でも有名な目黒孝二氏)渾身の編集本。若者に気軽に読んで欲しい本。

匂いをかがれるかぐや姫
原 倫太郎/文 マガジンハウス

 おなじみの「一寸法師」「かぐや姫」「桃太郎」の昔話を英訳ソフトで、英語に翻訳し、もう一度日本語翻訳ソフトにかけて、日本語に翻訳すると、あら不思議!!オリジナルとは違った、ファンキーで、おしゃれな昔話ができあがり?!
 「絶対に自分の和訳の方がうまい」と思わせる自信をもたせてくれる本です。笑いに飢えたとき、ぜひ読んでみてください。推薦者は30分笑いつづけました。

かはたれ
たそかれ
朽木 祥/作 山内 ふじ江/画 福音館書店

 散在ガ池に住む河童八寸はひとりぼっちでくらしていた。八寸は人間でいうとおよそ八歳、八十一歳の子どもの河童である。ある夏、八寸は長老の命令で、人間の世界に修行にでることになった。猫の姿になった八寸は、麻という女の子の家でくらしはじめる。両親兄弟を失った八寸と、母を亡くした少女麻、そして盲導犬になりそこねた犬チェスタトンとの心の交流がはじまる。失敗して河童の姿にもどってしまったりする八寸であるが、もともと麻は本来の姿をみることのできる心の目をもった女の子だった。
  『たそかれ』は『かはたれ』の四年後、八寸は長老の命令で再び里に下りていくことになった。使命は月読の一族である不知を散在ガ池に連れ帰ること。不知は学校のプールに棲みついてしまい、この六十年、一度も姿を見せないという。不知は戦争で亡くなった人間の友だち、司の帰りをずっと待ち続けているのだった。かはたれ、たそかれのおぼろげな光が感じられるような、心癒されるふしぎなファンタジー。不知の美しさに、きっとあなたも魅せられるはず…。

やっぱりおおかみ
ささき まき/さく・え 福音館書店

 ひとりぽっちのおおかみが、自分と似た子をさがして、ウサギ、ヤギ、ブタ、シカ、ウシ達のいる所に行きますが、皆仲間がいて楽しそう。墓場でもオバケが仲間と楽しそう。でも自分に似た子はみつからない・・・。
 なんとなく周囲になじめなくて違和感をもって生活している人にゆっくりと眺めて欲しい絵本です。

よみもの(海外)

ロング・グッドバイ
レイモンド・チャンドラー/著 村上 春樹/訳 早川書房

 村上春樹は、作家と同時に翻訳家としても活躍しています。近年は『キャッチャー・イン・ザ・ライ』(サリンジャー『ライ麦畑でつかまえて』)、『グレート・ギャッビー』(フィッジェラルド『華麗なるギャッビー』)といったアメリカ文学の名作の再訳に挑んでいた経緯があります。そして今回、村上春樹が影響をうけた作家として挙げているチャンドラーの代表作『ロング・グッドバイ』(『長いお別れ』)の再訳をしています。
 初めてハードボイルドを読むヤングアダルトに是非ともお勧めします。小粋な台詞に酔ってください。

もう一日
ミッチ・アルボム/著 小田島 則子/訳 小田島 恒志/訳 日本放送出版協会

 チャーリーは、幼い頃から父親に気に入られるようにがんばってきた。それなのに、父親は家族を捨てて出て行ってしまった。やがてチャーリーは父親が期待していたプロの野球選手になった。一時は父親との関係も改善したが、選手生命を失うと同時に再び父親は去っていった。その後のチャーリーは仕事も家庭も思うようにならず、ついには自殺を決意する。しかし死にきれずに実家に帰ったチャーリーを出迎えたのは、死んだはずの母親だった。

エアボーン
ケネス・オッペル/著  原田 勝/訳  小学館

 マットは、豪華飛行客船オーロラ号のキャビンボーイとして働いている。いつかはオーロラ号の船長になるのが夢。ところが今回の航海で、飛行船は空賊に襲われ孤島に難破してしまう。息もつかせぬ映画のような展開。

歩く
ルイス・サッカー/作 金原 瑞人/訳 西田  登/訳  講談社

 主人公アームピットは、仲間からあるビジネスをしないかと誘われる。二週間で貯金を倍にしてみせるというそのもうけ話、乗ったばかりに大変なことにまきこまれてしまい…。
同じ著者の『』を先に読んでおくと、さらに面白いこと間違いなし!

ボーイズ・レポート 同居人はハンサム7人組
ケイト・ブライアン/作 露久保 由美子/訳 理論社

 ミーガンは16歳にして、初めて両親の転勤についていかないと自己主張した。その結果、父の友人で男の子ばかり7人兄弟のマッゴーワン家で暮らすことになってしまった。サッカーは得意なのに、自己主張と男の子と話すのが苦手なミーガンと、ハンサムだけれど癖のある7人兄弟。親友のトレイシーに日々観察することになる男どものレポートを送りながら、ミーガンは苦手な男どもに立ち向かっていく。
 とても明るくて、一気に読んでしまえる物語。

14歳。焼身自殺日記
ブラント・ラニアン/著 小川 美紀/訳 小学館

 ある日、ブライアンは自殺を図った。自分の体にガソリンをかけ、自分で自分の体にマッチで火をつけて。なぜ、ブライアンは自殺したかったのだろう?
自殺未遂をきっかけに変わっていくブライアンと家族・友人との関係に、ほんとうの愛情や友情がどういうものか考えさせられる。

ゴーストハウス
クリフ・マクニッシュ/著 金原 瑞人・松山 美保/訳 理論社

 ジャックは、手を触れるだけで家具などに残った過去の人の記憶を読み取る能力がある。重いぜんそくの上に父親を亡くした母のセアラは、彼のために申し分のない古い農家に引っ越すことにした。しかし、この家には女の幽霊がいた。彼女はジャックを息子のように愛そうとしながら、一方で<あっちの世界>に行くことを拒んだ者が行く<悪夢の道>にさらわれることがないように、エネルギー補給のために4人の子どもの幽霊を家の中に閉じ込めていた。

アヴァロン 恋の〈伝説学園〉へようこそ!
メグ・キャボット/著 代田 亜香子/訳 理論社

 アーサー王を研究している教授のパパとママのせいで、名前まで悲劇のヒロイン・エレインの私。ところが引越しした先でとってもハンサムな男の子と遭遇!初対面のはずなのに、にっこりした彼のその笑顔を知っている気がする・・・。不思議なその人、ウィルはアヴァロン高校フットボール部エース、首席で素敵な彼女もいた。アーサー王伝説の再来を信じる人と、善と悪の存在により二人の人生は絡み合っていく。

きみは太陽のようにきれいだよ
チェマ・エラス/文 ロサ・オスナ/絵 福原 麻希/訳 童話屋

 きょうの夜、パーティーがあると聞いたホセは、妻のアナを誘いました。でもアナは、わたしはもうおばあさんだからパーティーなんて似合わないと言うのです。そこでホセは、「きみは太陽のように、きれいだ」とアナに言います。そのたびにアナはもっときれいになろうとするのですが・・・。
 いつかこんなおじいちゃんとおばあちゃんになれたらいいな。

時の旅人
アリスン・アトリー/著 小野 章/訳 評論社 

 病弱な少女ペネロピーは、療養のために過ごした農場で、不思議な経験をする。それは、時を超え、16世紀のイングランドへ迷い込むというものだった。そこで、スコットランド女王メアリー・スチュアートの脱出計画を目のあたりにする。ペネロピーは、悲しい運命が待ち受けるのを、せつない思いで見守るのだった。

秘密の手紙0から10
シュジー・モルゲンステルン/著 河野 万里子/訳 白水社

 出会いがきっかけで、今までの生活が変わったり、自分の未来が輝きだすことがある。エルネストの場合もそうだった。
 いつもと同じ毎日が、転校生の少女のおかげで、大きく変わりはじめる。孤独だった少年エルネストが、彼女や周りの人たちとかかわることで、あたたかい気持ちに触れ、生きる楽しさを知り、新しい自分へと成長していくのだった。

ローザ
ニッキ・ジョヴァンニ/文 ブライアン・コリアー/絵 光村教育図書

 アメリカでも数十年前まで「人権分離法(白人と黒人を隔離する法律)」があったことを知っていますか? この本の舞台は1955年のアメリカ。当時はバスも白人と黒人の席が前後で分けられ、中間の席はどちらが座っても良いという決まりでした。中間の席に座っていたローザ・パークスさんは白人に「席を譲れ」と迫られ断った事が「違法」だとして逮捕されます。ローザさんを救い出そうと黒人たちが立ち上がり、「バスボイコット」という社会運動が起こりました。暑い日も寒い日も黒人たちはバスに乗らず歩き続けて381日…。
 非暴力の静かな戦いが勝利し、平等な社会へ大きな一歩を踏み出した事を描くノンフィクション絵本です。

人生を変える3分間の物語
ミシェル・ピクマル/著 PHP研究所

 大学教授の父と幼稚園の先生の母に反発した私が家出した先で『哲学先生』と出会った。
 「老いはいつからはじまる?」「右足と左足、どっちがえらい?」などの疑問や人生についてのいろいろを、たとえばなしを通じて教えてくれる1冊です。

ファンタジエン 秘密の図書館
ラルフ・イーザウ/著 酒寄 進一/訳 ソフトバンククリエイティブ

 この本は『はてしない物語』へのオマージュともいえるシリーズの1冊である。『はてしない物語』のバスチアンが逃げ込んだ古本屋とその主人となるカールが主人公となる。若き日、臆病なカールが古本屋を受け継ぐことになるが、本が盗まれその隙間より「虚無」が広がっていく。古本屋を守るため、カールは冒険へと旅立つ。

アグリーズ 1 あたしがキレイになる日
アグリーズ 2 みにくい自分にサヨナラ
スコット・ウエスターフェルド/著 谷崎 ケイ/訳 ヴィレッジブックス

 数百年後の未来、誰もが16歳になったら「プリティ」になる手術を受けて美人になることを義務づけられている世界。
 わたし(タリー)も当たり前のように「アグリー(ブサイク)」から「プリティ」に生まれ変わるのだと思っていた。あの人たちに出会うまでは・・・

 「みんなが同じようにキレイになって何が悪いの?平等な社会にするにはそれしかないわ」と思っていたタリーは、手術をこばみ、社会から逃げ出して隠れ住む人々と出会って、やがて恐ろしい秘密に近づいていく。

堺市立図書館 平成19年11月発行


トップページ 蔵書検索・予約 お知らせ・行事案内 サイトマップ