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史料にみる堺の銀行（１）

明治期の堺市内の銀行群

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  堺銀行　引札　明治37年1月

  得意先に年賀状（封書）とともに配られたもの。
  為換取組先が書かれている。堺銀行の広域的な金融取引は、同時に、同行を通じた堺経済界の活動の範囲を示すものである。

  
  

• 『日誌』　明治36年7月～37年6月　（堺銀行文書98）

  明治37年1月1日。午前9時に頭取はじめ支配人以下店員一同集会し祝杯を挙げたあと、得意先への挨拶回りで年賀状および引札摺物を配っていることがわかる。市内および接続村の得意先300軒に行員が持参し、郡部得意先34軒には郵送したほか、2日には、人夫を雇い広告として4000枚を配付している。また、3日には、富田林出張店に200枚、福田出張店に100枚を送っている。顧客および取引先のひろがりや、当時の引札広告配付の様子がみてとれる。

  
  表紙

  
  １月１日

  
  

• 大阪貯蓄銀行　引札　明治37年

  裏に「貯蓄のすすめ」がある。それまでの銀行は5円以下の貯蓄を扱わなかった。銀行の小口預金は当行に始まるといわれる。当時の新聞広告をみると、堺銀行は「小口当座預金五円以上何程にても御預り可申候」と、大阪貯蓄銀行堺支店は「御預り金は壱銭以上なれば御預り致し御入用の節は何時にても御返し申候」と広告している。

  

  

  
  

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  浪速銀行堺支店　写真　『堺大観』写真
  （明治36年）

  明治33年に西洋風の設計により進められていた同支店新築計画は、設計者の急逝と経済界の不振により一時中止となっていた。経済界の回復をみて34年にふたたび新築に着手し、翌35年に伝統的な江戸黒様式と西洋風を折衷加味した重厚な明治期建築として落成をみる。

  
  

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  堺仝盟銀行例月会案内状　明治29年
  （堺銀行文書64－56）

  堺市内の銀行の間で例月会を開き、始業終業時間や土曜半ドン等の取り決めをおこなっていたようである。合同で新聞広告をだすこともあった。