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さかな  おもしろBOOKS探偵帖2004年  さかな

レヴォリューションNo.3」 
金城 一紀/著 講談社

 映画にもなった「Go」の作者が描く二つの短編と一つの中編からなる連作集。
 有名進学校ばかりが集まる新宿で、唯一のオチコボレ男子校に通う主人公たちは高校3年生。
 彼らは、殺しても死にそうにないという理由からまわりの学校から「ゾンビ」と呼ばれている。
 そんなある日、生物教師「ドクター・モロー」の「君たち、世界を変えてみたくはないか?」という言葉に触発される。
 近くの女子高に潜入して彼女を作るため、「ザ・ゾンビーズ」を結成して、いろんなことを繰り広げる。
 笑いもあり、ホロリとさせられる場面もあり、彼らの学校生活が生き生きと語られている。登場する多国籍なキャラクター達がおかしな魅力を醸し出している。

約束
村山 由佳/著 はまの ゆか/画 集英社

 小学校4年生の「ワタル」「ヤンチャ」「ノリオ」「ハム太」は家も近所で、いつでもつるんで遊んでいた。
 あるとき「ヤンチャ」が原因不明の病気で入院してしまった。
「ワタル」たち3人はタイムマシンを作って未来に行って「ヤンチャ」の病気を治そうとするが…

 子どもの頃、友達との小さな約束を果たすためでもすごく一生懸命になっていた。大人になると、そういう純粋さを忘れてしまうのはなぜだろう。
 ふとそんなことを思い出しながら読んでいました。
 本文はすごく短くて、あっという間に読めてしまう。しかし、読み終わった後に何かが心の中に残るような1冊です。

胸懐
TAKURO/著 幻冬舎

 ロックバンドGLAYのリーダーでギタリストTAKUROが現在までの人生を綴る。
 最初はいわゆる芸能本かなと思って読み始めた。特別文章がうまい訳でもないし、特別読みやすかったという訳ではないがおもしろかった。
ミュージシャンと言うとものの考え方や感性などが一般人と少し違っているのかなと思っていたが、TAKUROの考え方はとても普通で共感できる部分も多かった。
 一見華やかに見える音楽業界で、人知れず、その裏で悩んだり傷ついたりしている一人の男の本音がうまく綴られていると思う。
 音楽を好きな人、バンドをやっている人たちにも是非読んでほしい。

教室はまちがうところだ
蒔田 晋治/作 長谷川 知子/絵 こどもの未来社

 あなたが教室で手をあげなくなったのはいつからですか。
 先生にあてられて間違ったら恥ずかしいしなあ。でも、学校は本来知らない事を学ぶところのはず、だったらそう“教室はまちがうところ”なのです。この絵本は小学3年生の子どもが書いた詩がもとになっています。でも、この詩を読んだら、まちがうことなんかこわくない。どしどし手を上げて、自分の意見をいう勇気がでてくるよ。

オリビア サーカスをすくう
イアン・ファルコナー/作 谷川 俊太郎/訳 あすなろ書房

 休みの間に何をしたか、クラスみんなの前で発表することになった。でもオリビアは平気。緊張なんてしない。サーカスのひとたちを助けるために、飛び入りで演技したんだって。でも先生の反応はイマイチ…
 コブタのおてんば娘、オリビアのシリーズ第2弾。きっとあなたもオリビアのファンになるはず!

なぜアメリカはこんなに戦争をするのか
C・ダグラス・ラミス/著 晶文社

 第二次世界大戦以来ほぼ10年周期でアメリカが戦争をするのはなぜか?
9・11のテロの後、アメリカはアフガニスタンを攻撃し、イラクとも戦争をしました。日本はそんなアメリカを支援しています。米軍基地、有事法制、憲法第九条・・・そしてアメリカの新帝国主義。アメリカと日本の行動の底流に流れているものは何かが的確にまとめられています。

失われた手仕事の思想
塩野 米松/著 草思社

 手仕事に生きるさまざまな職人が、日本から消えていこうとしています。気候や風土に培われた自然素材を利用し、仁義や礼節を技術と共に身につけていった「手仕事の時代」とは、どのような時代であったか。「スローライフ」が提唱されている今日、もう一度探ってみよう。

笑うニューヨークDANGER
竹内 玲子/著 講談社

 ビアーリって食べたことがありますか? 関西人リンコさんのニューヨーク在住記第3弾。今回は病院に運びこまれたり、ブラインドデートを体験したり、と抱腹絶倒のエピソードがてんこ盛り。また、在住歴15年の著者の、語学留学生時代の思い出にも触れてあり、留学したいと思っている人の参考になるかも(?)

エラゴン、遺志を継ぐ者
クリストファー・パオリーニ/著 大嶌 双恵/訳 ソニー・マガジンズ

 アラゲイジアという架空の世界、貧しい農場で伯父と従兄と暮らす15歳の少年エラゴンは、ひょんな出合いからドラゴンを育てることになる。ドラゴンライダーになってしまったエラゴンは知らず知らず帝国を独裁支配する邪悪な王の野望の渦に巻きこまれていく。特に魅力的なのは、主人公と共に活躍するドラゴンの愛すべきキャラクターである。ドラゴンライダーシリーズ3部作の第1部。

ヤンキー母校に生きる
義家 弘介/著 文芸春秋

 常に時代や社会の歪みからあふれてきた生徒たちの受け皿として存在する北星学園余市高校。そこへ元ヤンキーの卒業生が教師として赴任してきた。
「お前らは俺の夢だ。生まれてきてくれてありがとう」
この言葉を信条に奮闘する、熱血教師のあつい思いが伝わってきます。

きよしこ
重松 清/著 新潮社

 あるテレビの番組に出演しているぼくを君のおかあさんが観て、ぼく宛に出版社に出した手紙をぼくは受け取ったんだ。それは、ぼくが言葉をつっかえているのを観て、小学一年生の君に「吃音に負けるな」と励ましの手紙を書いてほしいということだった。返事を出さなかったが、手紙のかわりに、小説雑誌に短い話を何篇か書いた。他の人には見えない「きよしこ」という友だちのいる、ぼくとよく似た少年を主人公にした話だ。

ぼくは悪党になりたい
笹生 陽子/著 角川書店

 エイジは17歳。父親不在の我家は長期出張の多い母親と小学生の弟、ヒロトの3人暮らし。僕は毎日、家事をこなしながらもまあ平凡な生活を送っている。
 ある日、ヒロトが病気になったのをきっかけに、僕の平凡な日常の歯車が少しずつ狂い始めた。僕は自分をコントロールしているつもりだったけれど、事態は思わぬ方向へ…

仔羊の巣
坂木 司/著 東京創元社

 僕、坂木司は保険会社に勤めるサラリーマン。友人の鳥井真一は、外出嫌いのひきこもりで一人暮らしだ。僕はそんな彼のことが気になってしかたがなくあれこれと彼の世話をやく。そんな僕らになぜかいつも日常の謎のようなちょっとした事件がもちこまれる。謎をとくのは名探偵鳥井真一。謎をときながら彼の世界は少しずつ広がっていく。現代社会の中で生きる人々を描きながらほのぼのとさわやか読後感のある小説。
 前作の「青空の卵」、最新作の「動物園の鳥」もあわせてどうぞ!

僕に踏まれた町と僕が踏まれた町
中島 らも/著 集英社

 今年、急逝した中島らもの自伝的エッセイ。有名進学校である「灘高」に入学したものの勉強以外にギターを弾いたり、漫画を描くことに興味を持ち、成績は急降下。「落ちこぼれ」としての高校生活を送り、仲間と数々の悪行三昧。青春時代の底抜けの明るさと先の見えない不安とが入り混じった何ともいえないもどかしさがよく描かれている。後年の作者の創作の原点がここにある。

「彩雲国物語」(はじまりの風は紅く黄金の約束花は紫宮に咲く想いは遥かなる茶都へ
雪乃 紗衣/著 角川書店

 秀麗は彩雲国きっての名家のお嬢様。なのに、赤字続きの家計をなんとかすべく労働に勤しむ毎日を送っている。ある時舞い込んだとんでもなくワリのいい仕事はダメ王様の王妃兼教育係。秀麗は陰謀渦巻く宮廷に乗り込んでいく。果たしてその結末は?
 やがて彩雲国初の女性官吏を目指すことになる少女の奮闘の物語。角川ビーンズ文庫から現在4巻刊行。

「終戦のローレライ」(
福井 晴敏/著 講談社

 第二次世界大戦末期。秘密兵器ローレライを搭載したドイツの潜水艦が日本に向かっていた。ローレライをめぐって思惑が入り乱れ、戦争の当事者たちは日本のあるべき終戦のかたちを模索し、争う。今の日本人は彼らの託した思いに答えることができているだろうか。読み終えた後自分の中に確実に何かが残るはず。2005年に映画公開予定。あわせてご一読を。

ブック・イン・ピンク
山崎 まどか/著 晶文社

 副題は「おしゃれ古本ガイド」。あくまでマニア受けする古書ではなく、チープな古本のガイドブック。なので、街にある古本屋さんでも探せば発見できそうだし、少ないおこづかいでも買えそうな本がいっぱい。いや、それでもちょっときびしいと思っている人も大丈夫。図書館という強い味方がいます。自分だけのお気に入りの1冊を探してみませんか?

文学賞メッタ斬り!
大森 豊/著 豊崎 由美/著 パルコ

 史上最年少やら十代の受賞者やらマスコミが騒がしい昨今、文学賞なるものに興味を抱いた人も多いと思う。受賞作品についてはあちらこちらで語られているが、そもそも文学賞とはなんぞや?と思う人もいるのではないだろうか。そんな人はぜひこれを手にとってほしい。国内文学賞について独断と偏見に基づき斬りまくっていて賞を知らなくても笑わずにはいられないはず。

さみしさの周波数
乙一/著 角川書店

 ジャンル分け不可能といわれる著者の原点といってもいい短編集。
収録されている4つの短編は、切なく涙しそうなものもあれば、身の毛のよだつホラーもあり、ユーモラスな会話が楽しいものもあって、おまけに羽住都のイラストも雰囲気ぴったり。乙一をはじめて読んでみようと思っているならおすすめの1冊。

本当の戦争 すべての人が戦争について知っておくべき437の事柄
クリス・ヘッジズ/著 伏見 威蕃/訳 集英社

 ジャーナリストとして長年戦場を駆け巡っていた著者が戦争というものについて答えている本。内容はアメリカの軍隊や戦争のことなので、日本とは関係がないじゃないかと思うかもしれない。でも日本が戦争に一歩一歩近づいていっている気配がただよう今、この半世紀戦争をし続けていた国における戦争というものを考えてみることも必要なのではないだろうか。

「NO.6(ナンバーシックス)」 #1#2#3
あさの あつこ/著 講談社

 2013年9月7日、ぼくの12回目の誕生日。ぼくは、自分のことを“ネズミ”と呼ぶ少年と出会った。理想都市「NO.6」の高級住宅街には似つかわしくない格好で、しかも銃に撃たれて怪我をしていた。彼と出会ったことで、ぼくは、エリートコースの道をはずれ、治安局に追われる身となってしまった。

アイ・アム
菅 浩江/作 祥伝社

 円柱形のボディに特殊ラバーの腕… ホスピス病院で目覚めたロボットの“ミキ”は、プログラミングされた知識と技術で、患者を看護するため働きはじめた。寝たきりのお年寄りや難病の少女とかかわり、生と死が隣り合わせの病棟で、ミキは自分のことを考え始めた。―私は誰? 私は本当にロボットなの―?

放浪の戦士
茅田 砂胡/著 中央公論社

 草原で眼を覚ましたリィは、自分が何者かによって性別を変えられ、異世界に飛ばされてしまったことを知った。そして、そこで、刺客に追われる戦士ウォルと出会い、ともに戦うことになる・・・。全18巻のファンタジー小説だが、「長い!!」と手を出さないのはもったいない。主役のほかにも個性的なキャラクター満載で、読み出したら、「早く次の巻を!」と、思うようになります。

パイド・パイパー
ネビル・シュート/著 池 央耿/訳 東京創元社

 1940年夏、心の傷を癒すため渓流釣りに来ていた老イギリス人のハワードは、ドイツ軍の侵攻から逃れるため、滞在先のフランスから帰国することにした。交通事情が悪いうえに、一緒にイギリスへと頼まれた子どもたちを連れての旅は困難になる一方だった・・・ 「禁じられた遊び」(フランソワ・ボワイエ/著 角川書店)も読んでみると、戦争に追われて逃げる状況がよくわかります。

「ジェーン・エア」(
C・ブロンテ/著 大久保 康雄/訳 新潮社

 文学史の年表で見たという方もいると思いますが、19世紀イギリスの小説です。だからって読む気を失わないでください。これはとても情熱的な恋愛小説なのです。純愛ブームの今、食わず嫌いを返上してみてはいかが。
 もっと情熱的な恋愛小説が読みたいという方には、妹のエミリー・ブロンテが書いた「嵐が丘」(新潮社文庫)をおすすめします。

150cmライフ。
たかぎ なおこ/著 メディアファクトリー

 私は身長150cm未満。だからせめて150cmあればと思ってきました。でも、著者の生活には共感することばかり。やはり5cmの差くらいでは何も変わらないのでしょうね。せめて背の高い方々にこの本を読んでいただいて、我々に対する理解を深めていただければ、少しは暮らしやすくなるかな、などと思っております。

ぼくのおばあちゃん
なかむら みつる/著 ぴあ

 あなたは、大事な人を失ったことがありますか? 著者は小さい頃からおばあちゃんが大好きでした。でも、大きくなるにつれて、おばあちゃんはだんだん年を取っていきます。おばあちゃんとの日々、別れの悲しみ、そこから立ち上がるまでの物語。著者はイラストレーターや作詞でおなじみの326(ミツル)です。

石のハート
レナーテ・ドレスタイン/著 長山 さき/訳 新潮社

 12歳のある日、家に帰ると家族が一家心中していた。唯一助かった弟とも離れてしまった。時を経て、悲劇のあった家に戻ったエレンは、何故幸せだった家族が心中に追い込まれたのか、何故自分だけが取り残されたのか、失われていた記憶を取り戻していく。
 暗いテーマだし、悲しい物語だけれど、是非読んでみてください。

「ゆるキャラ大図鑑」 みうら じゅん/著 扶桑社

 ゆるキャラって何だろうと、興味半分で手に取りました。予想以上にゆるゆるだったので、これは勉強に疲れた頭にちょうどいいんじゃないかと紹介してみました。でも、一緒にゆるゆるにならないでね。
所蔵する最新版は全日本ゆるキャラ公式ガイドブック」 みうら じゅん/著 扶桑社

「妖怪アパートの幽雅な日常」(123
香月 日輪/著 講談社

 両親を亡くし、親戚の家の世話になっていた夕士は、高校入学を機に寮生活を始めるのを楽しみにしていた。ところが思わぬことで当面アパート暮らしをすることになった。不動産屋のおじさんに紹介されて向かった先には、なにやら怪しげな気配が… この世の者とあの世の者が共存するアパートで、とにもかくにも新しい暮らしが始まった。
 現在、2巻目まで出ています。

14歳からの哲学
池田晶子/著 トランスビュー

 自分って、何だろう。自分ってこの体だろうか。「この体が僕だ」と言うその自分って何だろう。自分ってのは脳のことだろうか。何を美しいと思うかは人それぞれだ。けれども「美しい」という言葉が「美しい」を意味するとすべての人に共通しているのはなぜだろう。―そんなことを考えたことはない? この本はそんな君のための本です。

100万回生きたねこ
佐野洋子/作・絵 講談社

 100万年も死なないねこがいました。100万回も死んで100万回も生きたのです。ねこは死ぬのなんか平気だったのです。あるとき、ねこはのらねこになりました。そして恋をしました。ねこははじめていつまでも生きていたいと思いましたが… 愛について、生きることについて考えさせてくれる絵本です。

「ブレイブ・ストーリー」(
宮部みゆき/著 角川書店

 ワタルは理不尽な現世の運命を変えるため、十年に一度しか開かない要御扉(かなめのみとびら)を通って幻界への旅に出た。とかげ男キ・キーマや猫の女の子ミーナと、運命の塔を目指して旅を続けるが、幻界もまた、大きな危機をむかえていた。最後にワタルが女神に願ったことは? 心励まされる冒険ファンタジーです。

しあわせを感じる「技術」
しあわせ研究プロジェクト/編 東洋経済新報社

 あなたは今「しあわせ」ですか? 「しあわせ」とはどんなものだと思いますか? この本の中には様々な立場の人の様々な「しあわせ」がつまっています。これからの人生を考えていく上で、こんな「しあわせ」を自分もつかみたい、そんな風に思えるものがあるでしょうか。
 自分の行く先を考えなければならない人たちに。

まけないこころのレシピ 女性のためのこころとからだの本
あんどう よしみ/著 マーブルトロン

毎日のわたしに自信が持てる20の方法
ウーテ・エーアハルト/著 平野 卿子/訳 講談社

 あなたは今自分にどれぐらい自信がありますか?辛い毎日を生きていないですか?あまり無理をしすぎるとどこかで破綻を招いてしまいます。そうならないために、このような本をちょっとひも解いてみましょう。悩む人が多いのか、似たような本もたくさん出版されています。図書館にきたら人生訓(分類番号159)や精神衛生(分類番号498.39)のあたりを見てください。

花・くだもの・実で作る美人食 自然の恵みできれいになる簡単薬膳
葉 小青/著 はまの出版

からだの中からキレイをつくるパワーレシピ
加藤 奈弥/著 講談社

 ダイエットしているそこのあなた、図書館にはきれいになれるレシピの詰まった本もあるんです。食事制限でお腹の空く思いをするより食べてきれいになれるなんていいと思いませんか?! 図書館にきたら食品・栄養学(分類番号498.5)のあたりを見てください。

VOICE 17歳は世界の夢を見る
リサ・モーガン/文 キャロライン・パーソンズ/写真 坂本 徳子/訳 ジャパン・キャタリスト/訳 河出書房新社

 世界7カ国の14国籍に及ぶ若者に、未来を想像し、そこで見えたイメージを絵にして語ってもらうというプロジェクトをまとめた本。1998年1月から2001年8月まで4年にわたって行われた。さまざまな境遇の若者が世界をどのように捉え、未来をどう「感じているか」が見えてきます。

捨てるな、うまいタネ
藤田 雅矢/著 WAVE出版

 毎日毎日ストレスがたまってませんか? この本は身近な食べ物から種を取って、植えてみたらどうなるかということを、種に関するうんちくも交えながら書いています。ガーデニングなんて所までしなくとも、自分の机の上の小さな鉢から、自分の植えた何かの種がピョコっと芽を出していたとしたら、いいと思いません?!

女のからだわたしたち自身
森 冬実/著 からだのおしゃべり会/著 毎日新聞社

性の問題心の問題
河野 美香/監修 STDメンタル・ヘルス取材チーム/編 集英社インターナショナル

 図書館にきたら婦人科(分類番号495)、結婚医学(分類番号598.2)、性問題(分類番号367.9)のあたりを見てください。大切なことだけど人には聞きにくい、そんなことも図書館の本にはちゃんと載っています。あやふやな知識で傷つかないために。

ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか? ベトナム帰還兵が語る「ほんとうの戦争」」
アレン・ネルソン/著 講談社

 30年前、一つの戦争が終わった。18才で海兵隊に入ったアレンは、沖縄の米軍基地で訓練をうけ、ベトナムに送られる。ベトナムに自由と人権をもたらすためと信じた彼が戦場で目にしたものは、村を焼き払い、死体の金歯をあさる兵士の姿だった。帰国後、悪夢にうなされる日々を経て、アレンは戦争の真実を語り始める。

ねこは青、子ねこは黄緑 共感覚者が自ら語る不思議な世界
パトリシア・リン・ダフィー/著 石田 理恵/訳 早川書房

 共感覚という言葉を聞いたことがあるだろうか?それは、五感のうち二つの感覚が同時に働く現象である。文字に色が見えたり、味に手触りを感じたり、痛みに映像が浮かんだりする。この本の著者も共感覚者で、Cで始まる「ねこ」(cat)という単語は青、Kで始まる「子ねこ」(kitten)は黄緑色に見える。驚きの体験や長年にわたる独自の探求についてまとめたものである。

エミリーへの手紙
キャムロン・ライト/著 小田島 則子・小田島 恒志/訳 日本放送出版協会

 死んだおじいちゃんがエミリーに残したのは、まるで暗号のような秘密の言葉だった。そして、その秘密の言葉は、おじいちゃんのパソコンのパスワードになっていた。みんなは夢中で謎を解く。すると、おじいちゃんの家族に対する愛情いっぱいのメッセージが、驚く形であらわれるのだった。

ヘヴン
クシシュトフ・キェシロフスキ/著 クシシュトフ・ピェシェヴィッチ/著 坂倉 千鶴/訳 角川書店

 54才で亡くなったポーランドの映画監督の遺稿「ヘヴン」は、透明で純粋なラブストーリー。また、最後のインタビューを併録。地元の高校生からの、未熟だがストレートな質問に誠実に答えている。監督が死ぬ4日前に残した最後のメッセージとして、高校生に伝えたかったことは何か、ぜひ読みとってほしい。

「ダイブ」全4巻(1234
森 絵都/著 講談社

 一見地味な?飛び込み競技に打ち込む少年たちのスポ根らしくないスポ根物語。巻ごとに主人公(というかスポットのあたる人物)が替わっていることも、それぞれの人物の感じ方、視点がわかり興味深い。

1 8歳の頃から飛び込みをはじめた中学一年生の知季は、友人たちと練習を楽しんでいる程度で成績は先輩の要一の足元にも及ばない。ダイビングスクールの存続そのものも赤字のため危うく、さえない日々を過ごしていた。そんなある日、スクールに若い女性コーチが赴任してきた。彼女は知季に興味を示し、「オリンピックを目指せ」と途方もないことを言う。当初は戸惑っていた知季だったが、彼はみるみると力をつけていく。
2  津軽で20メートルもの岸壁から飛び込みをしていたという飛沫(しぶき)が主人公。野性味あふれる彼の飛び込みは、結果にはすぐに結びつかない。しかし彼の飛び込みは飛び込みを知らない一般の人たちの目をひきつける魅力がある。「天性の華」を持つ飛沫が開花するのはいつになるのか・・・
3  飛び込み優等生でクールな要一が主人公。実力で得たはずのオリンピック出場権だが、彼は自分が大人たちの都合で踊らされているだけではないのか?と疑問をもち、ついに要一は代表の座を辞す。そして再び選考会に知季、飛沫たちと臨む。しかし、そのとき彼は高熱にみまわれていたのであった。選考会の結果は・・・
4  これまでの登場人物が交差し、多角的に物語はすすめられる。これまで脇役だった人たちもとりあげられつつ、緊迫感ある選考会はすすんでいく。そしてその結果は?ぜひ読んで確かめてみてください。さわやかな読後感が待っています!

「バッテリー」全6巻(123456
あさの あつこ/作 佐藤 真紀子/絵 教育画劇(角川文庫としても3巻まで刊行123

 主人公の原田巧(13歳)が中学にあがる前の春休みに、父の転勤で母の実家に越してきたところから物語は始まる。巧は投手としての才能に恵まれた自信家でストイックな少年。愛想がなく、他人になんて興味がない。そんな巧がバッテリーを組む永倉豪に出会い、「自分ひとりで生きている」というスタンスの巧が豪との心の交流により少しずつ変わっていく様子が自然に書かれています。
 わずか1年間の少年達の生活を作者は10年間かけて大切に書いている。題名通り野球を中心とした少年達のドラマではあるが、野球に興味のない人も十分に楽しめる内容となっている。登場する少年達がみんな魅力的でそれぞれの心理を上手にさらっと描写している作者の手腕に感心する。こんなかっこいい中学生活を過ごしたかったと思う人も多いのでは。WEB上ではファンが作ったホームページまであり、少年達のかっこよさに惹かれた人が多いことがうかがえる。

まどさんのうた
阪田 寛夫/作 童話屋

 こんな小さな本の中に詩人まどみちおの宇宙が凝縮されている。まどさん自身の感性、やわらかな心、斬新な視点などを充分感じ取るとともに、著者のまどさんに寄せる想いも伝わってくる。まどさんの詩を存分に味わいたい方は、「まどみちお全詩集」理論社をどうぞ。

都会(まち)のトム&ソーヤ 2
はやみね かおる/著 講談社

 内藤内人は自称“ふつうの中学生” だが、実はサバイバルの天才である。彼と究極のゲーム作りを目指す親友の創也は、ライバルのゲーム作家である栗井栄太の正体を探っている。怪しいCMのメッセージを受け取り、閉店後のデパートに乗りこんだ2人の前に新たな冒険が始まった。
 1も出版されています。

ソフィーの世界 哲学者からの不思議な手紙
ヨースタイン・ゴルデル/著 池田 香代子/訳 日本放送出版協会

 ソクラテス、プラトン、デカルトなど、昔の哲学者及びその思想について頭を悩ませたことはありませんか? 14歳の少女ソフィーは謎めいた手紙とその差出人に導かれ、時代を超えて不思議な旅をします。教室での講義ではなく、言ってみれば哲学者による個人授業。哲学や倫理といった授業が苦手な人におすすめ。得意な人にはもっとおすすめ。読書に時間をかけることのできる青春時代に読んでおくといいかも。

タイムマシンをつくろう!
ポール・ディヴィス/著 林 一/訳 草思社

 この本の原題は「How to build a time machine」、つまり「タイムマシンの作り方」です。大まじめに、物理学的にタイムマシンの制作方法について述べられた本なのです。
 本当にそんなことが可能なの?だって誰も未来の人にあったことないのに?などと数々の疑問に答えて(あるいはその可能性を示して)くれます。
 学習机の一番うえの引出しをあけて未来にいけるかどうかやってみたことのある人も、そうでない人も是非読んでみてください。その後は、実際の製作にむけて熱意を燃やすもよし、時間旅行を扱った小説にはまるもよし!

くらのかみ
小野 不由美/著 講談社

 夏休み、はじめてあう親戚と田舎の大きな家。四人のこどもたちは、蔵で「四人ゲーム」をはじめた。四人では決してできないはずだったのに、ゲームは成立。いつのまにかこどもが五人になっている!? でも増えた一人が誰なのかどうしてもわからない。
 一方、相続の相談をしていた大人たちは夕食に毒草がいれられて大騒ぎ。さらに夜中に人魂まであらわれる。
 だれか犯人がいるのか、それとも伝説の「たたり」なのか。そして「増えた子ども」はいったい誰なのか。どこか懐かしい夏の冒険譚。
堺市立図書館 平成16年10月発行


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