村上浪六は現在の堺区材木町東に生まれました。本名は信(まこと)。明治24年故郷堺にちなんだペンネームちぬの浦浪六≠フ名で小説『三日月』を発表し一躍人気作家となりました。以来昭和十年代まで百数十篇にのぼる小説を執筆し、当時の大衆文学の中で不動の位置を占めました。浪六の小説は江戸時代の町奴を主人公にした作品が多いため、その髪型から「撥鬢(ばちびん)小説」と称されました。