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市史編纂の方針としては、通史を基本として本編は古代から元和元(1615)年まで、元和2(1616)年から明治元(1868)年まで、明治元(1868)年から大正9(1920)年までの3部構成になる予定でした。その後、本編の他に資料編と人物誌・社寺誌を追加し、最終巻には索引と年表、編纂沿革が収録されることになりました。昭和4(1929)年から昭和6(1931)年にかけて刊行された『堺市史』は全部で8巻となります。

なお中央図書館では『堺市史』の中でもっとも利用の多い第7巻を電子テキスト化し、デジタル『堺市史』としてインターネットで公開しています。人物や宗教施設、名跡について書かれています。

堺市史資料未刊分

中央図書館では「資料編」の原稿の一部と思われるものを『堺市史資料未刊分』(全13冊)として所蔵しています。「未刊分」と呼ばれているのは、この呼称がつけられたのが掲載予定巻の刊行前の段階であったからと考えられ、第1冊の表紙には「二編至四編ハ印刷所」と書かれています。

『堺市史資料未刊分』中の史料の多くは刊行された『堺市史』に掲載されましたが、一部、原稿とされながらも未掲載となったものも見られます。『堺市史資料未刊分』内容目次はこちらをご覧ください。

摘要堺市史

堺市史完結後の昭和6(1931)年8月、1冊にまとめた『摘要堺市史』が堺市役所から刊行されました。『堺市史』は当時刊行部数にも限りがあり、またページ数も多く、広く一般読者の手に渡ることは難しいと考えられたからです。二代目編纂長の牧野信之助が執筆し、監修者の三浦周行の校閲を経たもので、148ページの冊子となっています。

写真:『堺市全図及商工業独案内』
『摘要堺市史』

『堺市史』の復刻

堺市役所から出版された『堺市史』はその後数十年再版されることはなく、まれに古書店に現れても非常に高価となり入手が極めて困難となっていました。

そこで昭和41(1966)年、数年前から編纂が開始されていた『堺市史』続編の影響もあってか、清文堂出版より復刻版が出版されました。

その後、『堺市史』続編完結の翌年、昭和52(1977)年にも、再度清文堂出版より復刻版が出版されました。