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病気や障害と生きるこどもたちによりそうことを考えて作られた絵本や物語をご紹介します。
病気・障害とともに生きる人々の姿を描きます。
書名 | 著者 | 出版者 | 内容 |
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ポケットのないカンガルー | H.A.レイ/え | 偕成社 | ケイティのおなかにはポケットがないので、小さなぼうやを連れて出かけることができません。物知りのフクロウから、町にはポケットが売っていると聞いたケイティは、さっそく出かけて行きました。 |
わたしいややねん | 吉村 敬子/文 | 偕成社 |
「わたし でかけるのん いややねん みんな じろじろ見るから」 外出の際に車椅子を使う著者が、社会で直面する問題を言葉にしました。すべてのひとがふつうに、快適に暮らせるようになってほしい、という著者の思いが込められています。 |
さっちゃんのまほうのて | たばた せいいち/共同制作 | 偕成社 | さっちゃんの右手は生まれつき指がありません。ある日、幼稚園でままごと遊びをしていると、友達から「手のない子はおかあさん役になれない」と言われます。悲しむさっちゃんに、お父さんが素敵な事を教えてくれました。 |
イルカにあいたい 難病少年、正ちゃんの願い | こやま 峰子/文 | 国土社 | 「ムコ多糖症」という病気の正ちゃんは骨髄移植のため長い入院生活をおくっています。「イルカ好きの正ちゃんをイルカにあわせてあげたい」と思ったお母さんが書いた手紙は難病の子どもたちのために活動している人たちの元に届きました。 |
ママ、なんで?びょうきのママにききたいの | 阿部 円香/文 | 書肆侃侃房 | がんの放射線治療医として働く阿部円香さんは多発性硬化症と自己免疫性肝炎を発症し、入退院を繰り返すことになりました。3歳半の娘さんに病気の事をわかりやすく伝えるために、この絵本を作りました。 |
電池が切れるまで | 宮本 雅史/作 | 角川学芸出版 |
「命はとても大切だ 人間が生きるための電池みたいだ」 「神経芽細胞腫」という病気のため、11歳でなくなったゆきなちゃんが残した「命」という詩の一節です。こども病院の院内学級に残された詩から、重い病気と闘いながら、明るく、お互いを支えあうこどもたちの様子が伝わってきます。 |
よめたよ、リトル先生 | ダグラス・ウッド/作 | 岩崎書店 | 字がぐにゃぐにゃとまがった線にしか見えなかったダグラスに辛抱強く読む練習をしてくれたリトル先生のおかげで、ダグラスは本を読む楽しさを学び、大人になって本を出すまでになりました。 ADHDの著者による自伝的な物語です。 |
ローラのすてきな耳 | エルフィ・ネイセ/作 | 朝日学生新聞社 | ローラは耳がよく聞こえないので、友達と意思疎通ができなかったり、近づく車に気付かず怖い思いをする事があります。そこでローラは補聴器を作ってもらいました。同じように耳が聞こえにくかった作者の実体験が元になっています。 |
どうしてダブってみえちゃうの? 視力はわるくないのに、うまく見えない女の子のものがたり | ジョージ・エラ・リヨン/文 | 岩崎書店 | ジニーはよく人や物にぶつかったり、絵本を見る時に目を細めたりするので、みんなに笑われたり、先生に注意されてしまいます。視力検査の時、ジニーの目には物が二重になって見える「ダブル・ビジョン(複視)」だという事がわかりました。 |
おとうさんの手 | まはら 三桃/作 | 講談社 |
わたしのおとうさんは目が見えない。でも、わたしが帰って来たのも、雨が降りそうになるのも、わかる。においや空気を感じるんだって。 一緒に目を閉じて、「見えない世界」を感じてみませんか。 |
さかさまになっちゃうの | クレア・アレクサンダー/さく | BL出版 | アルフィーが字を書くと、形が逆になったり、さかさまになってしまいます。先生に「教えてほしい」と言い出せないアルフィーを、ジャックが「わからないことは聞いていいんだよ」と勇気付けてくれました。 |
ふしぎなともだち | たじま ゆきひこ/作 | くもん出版 |
転校した学校には突然、大声を出したり、教室を抜け出したりする不思議な子がいました。先生はその子には「自閉症」という障害があると教えてくれました。 自閉症の子を学校や地域であるがまま受け入れ、ともに暮らしている、ある町での実話を元に作られています。 |
障害や病気の事をわかりやすく伝える本です。
書名 | 著者 | 出版者 | 内容 |
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お父さん・お母さんががんになってしまったら | Ann Couldrick/原作 | Pilar Press | 日本ではがんが死亡率の第一位を占め続けています。親ががんにかかっているとわかった時、不安に思うこどもたちに、どのような説明をしたらいいか、教えてくれる本です。 |
おかあさんだいじょうぶ? | 乳がんの親とその子どものためのプロジェクト/作 | 小学館 | 乳がんは発症時期が若いことも多いため、患者とそのこどもを支えるために作られた絵本です。日本での日常生活に沿って、乳がんをこどもたちに伝えるアプローチの仕方が紹介されています。 |
「家族のこころの病気を子どもに伝える絵本」シリーズ 1.ボクのせいかも… お母さんがうつ病になったの 2.お母さんどうしちゃったの… 統合失調症なったの・前編 3.お母さんは静養中 統合失調症なったの・後編 4.ボクのことわすれちゃったの? お父さんはアルコール依存症 |
プルスアルハ/著 | ゆまに書房 | 親が病気になった時、子どもたちは状況が理解できずに混乱したり、原因は自分にあると感じる事があります。この本は絵本として子どもが一人で読む事もできますし、周りの大人が子どもたちに病気について伝える時の指針を示してくれます。 |
恵みのとき 病気になったら | 晴佐久 昌英/詩・文 | サンマーク出版 |
「病気になったら どんどん泣こう」 カトリック司祭の著者ががんを告知された時に病床で綴った詩が口コミで広がり、多くの人を支え、本になりました。 病気になったからこそ言える言葉が、病気を受けとめる勇気を与えてくれます。 |
チーちゃんのくち | わたなべ まみ/ぶんとえ | 口腔保健協会 |
口唇裂の娘が自分の口について不思議に思った時、楽しく理解してもらいたい、とお母さんが作った絵本です。 口唇裂がどのようにして起こるのかというしくみや、同じような傷はだれでも持っている、ということをわかりやすく伝えています。 |
ありがとう、フォルカーせんせい | パトリシア・ポラッコ/作・絵 | 岩崎書店 | 授業であてられても上手に読めないので、トリシャはみんなから笑われてしまいます。しかし、担任になったフォルカー先生は、トリシャが文章を読めない事に気づいてくれました。作者の自伝的な作品です。 |
おひさまはいつもあったかいね くさかはるか詩集 | くさか はるか/詩 | 偕成社 | 著者のくさかはるかさんが6歳の時に出版された本です。はるかさんがグルタル酸血症Ⅰ型という病気のため、長い入院生活を送る中で感じたことを詩にしました。 |
病気・障害の家族や友達に寄り添う子どもを描いています。
書名 | 著者 | 出版者 | 内容 |
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わたしのおばあちゃん | ヴェロニク・ヴァン・デン・アベール/文 | くもん出版 | マリーのおばあちゃんは最近、記憶が混乱したり、今までできていた事ができなくなってしまいました。「アルツハイマー病」と診断されたおばあちゃんとマリーの変わらない愛情の姿を描きます。 |
みえないってどんなこと? いのちのえほん | 星川 ひろ子/写真・文 | 岩崎書店 | ある日、幼稚園に盲導犬のエルバを連れためぐみさんがやってきました。みんなはアイマスクをして「目が見えない人のくらし」を体験し、目の見えない人の気持ちを考えていきます。ワークショップから生まれた写真絵本です。 |
うさこちゃんとたれみみくん | ディック・ブルーナ/ぶん え | 福音館書店 |
うさこちゃんのクラスにやってきた転入生は、耳が片方だけたれていたので、みんなはその子を「たれみみくん」と呼びました。「たれみみくん、ってよばれるの、いやじゃないかしら」とうさこちゃんは思いました。 みなさんもうさこちゃんと一緒に考えてみませんか。 |
きずついたつばさをなおすには | ボブ・グラハム/さく | 評論社 | 都会の高いビルにぶつかった鳥が地面に落ちました。しかし、誰も気づきません。一人、鳥に気がついたウィルは家に連れて帰ります。抜けた羽は戻らないけれど、傷ついた翼は治るかもしれない・・・。短い言葉とあたたかな絵で都会の片隅で起きた命の物語を描きます。 |
ありがとう、チュウ先生 わたしが絵かきになったわけ | パトリシア・ポラッコ/作 | 岩崎書店 | パトリシアは絵を描くのが大好き。だけど文章を読むのが遅いので、テストが苦手。「絵より、テストの勉強をすべき」という先生がいる中で、パトリシアの才能を見抜き、導いてくれたのは美術教室のチュウ先生でした。 |
わたしのすてきなたびする目 | ジェニー・スー・コステキ=ショー/さく | 偕成社 | ジェニー・スーの左目は斜視で弱視です。そこで、眼科に行って治療をはじめました。治療中につけるアイパッチを友達に笑われたりしましたが、ジェニー・スーは自分の目を、自分の個性の一つとして前向きに、明るく捉えます。 |
算数の天才なのに計算ができない男の子のはなし | バーバラ・エシャム/文 | 岩崎書店 | 算数は大好きなのに、テストで誰が早くできるか計るようになってから、計算ができなくなったマックス。知的発達に遅れはないものの、「計算する」ことが苦手な算数障害に苦しむ子には指導法を変えることで支援する事ができます。 |
わたしたちのトビアス | セシリア=スベドベリ/編 | 偕成社 | ダウン症の弟トビアスの4人の兄姉は、トビアスが“ふつう”と違う、“障害児”だと教えられました。「障害児ってなんだろう?」と疑問に思った兄姉が感じ、考えたことをありのままに綴りました。 |
ぼくのお姉さん | 丘 修三/著 | 偕成社 | 養護学校の教師をしていた著者による、障害児をテーマにした短編集です。ダウン症の姉をからかう友達たち、自由にしゃべられない子をいじめてしまったぼく・・・障害児たちが置かれている現実に根付いたストーリーは私たちの社会にある偏見や問題点を考えさせてくれます。 |
いもうとのにゅういん | 筒井 頼子/さく | 福音館書店 |
こどもが病気になった時、不安になるのは病気になった子だけでなく、兄弟も一緒です。 普段、いたずらばかりする妹が急病で入院することになった時のお姉ちゃんの気持ちを繊細に描いています。 |
チャーリー・ブラウンなぜなんだい? ともだちがおもい病気になったとき | チャールズ・M・シュルツ/作 | 岩崎書店 | スクールバスで一緒のジャニスは最近、あざができやすく、高熱が続いています。ジャニスは白血病にかかっていたのです。「白血病ってうつるの?」「病気の子ばかり大事にされてずるい!」スヌーピーとその仲間たちが病気になったジャニスのことを考えてみました。 |
ぼくがげんきにしてあげる | ヤーノシュ/作・絵 | 徳間書店 |
くさむらのまんなかで倒れている小さなトラを見つけた小さなくまとみんなは一生懸命看病をします。 具合は悪いけれど、わがままを言ったり、みんなが良くしてくれるのはちょっと嬉しい・・・そんなこどもの気持ちと、周りの人たちの優しい気遣いに心があたたまります。 |
おねえちゃんは天使 | ウルフ・スタルク/作 | ほるぷ出版 | ママのおなかにいた時に亡くなったおねえちゃんですが、いつもそばにいてくれる事をウルフは感じています。 ある日、おねえちゃんに色んなものをみせてあげようと思ったウルフは、素敵な事を思いつきました。 |
ぼくは海くんちのテーブル | 西原 敬治/ぶん | 新日本出版社 | 保育園で事故に遭った海くんがようやく家に帰ってきました。けれども横になったままで、自分でごはんも食べられません。海くんの負った重い障害を受け入れ、前向きに生きていく家族の姿を、海くんのお父さんが綴りました。 |
クシュラの奇跡 140冊の絵本との日々 | ドロシー・バトラー/著 | のら書店 | 複雑な重い障害により、発育状況のほとんどの面で健常児より遅れていたクシュラ。病弱な我が子に向けて、母親が読み聞かせた絵本は、クシュラが外の世界を体験するための大きな支えとなりました。子どもの人生に本がいかに大きな力をもつかを実証した感動的な記録です。 |
●ブックガイド
書名 | 著者 | 出版者 | 内容 |
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からだといのちに出会うブックガイド | 健康情報棚プロジェクト/編 | 読書工房 |
子どもたちが自分の体のこと、いのちのことを考えるきっかけとなる本を集めたブックリストです。 教師、図書館員、医師、ジャーナリスト、患者体験者などが生老病死をテーマに扱った絵本、写真集、小説、ノンフィクション、教材など179点を35のカテゴリーにわけて解説しています。 |
●病気に関する児童書を調べられるサイト
児童書総合目録
国際子ども図書館をはじめ、国内で児童書を所蔵する主要類縁7機関の児童書・関連資料の所蔵情報を一元的に検索できる目録です。書名、著者名だけでなく、本の内容(あらすじ)からも本を検索できます。
詳しくは国立国会図書館HP内の「児童書総合目録について」(http://iss.ndl.go.jp/kodomo/)をごらんください。