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さかな  おもしろBOOKS探偵帖2003年  さかな

ダークホルムの闇の君」 
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ/著 浅羽 莢子/訳 東京創元社

 魔法世界ダークホルムには毎年別の世界からの観光客の集団である「巡礼」たちがやってくる。「巡礼」たちを驚かし、喜ばせるための「ダークホルムの闇の君」に今年選ばれたのは魔術師・ダークだった。
 巡礼観光会の会長チェズニー氏の横暴により、毎年苦しめられるダークホルムは果たして救われるのか?

 さあ、あなたもダークとともに、龍やエルフ・グリフィン(獅子の体に鷲の頭と翼をもつ架空の生物)たちの織り成す魔法の世界を旅しましょう!

さんぽ王子
きたやま ようこ/著 主婦の友社

 毎日をつまらなくくらしている王さま一家がいました。ある日王さま一家に水玉模様の犬がやってきて、新しい家族になりました。名前は「ちび王子」。 
 王さまたちは「ちび王子」と一緒にさんぽにでかけます。ほら、楽しい時間がまっていましたよ!
 あなたも「ちび王子」と一緒に散歩に出かけませんか。

作家たちの愛の書簡」 
大島 和雄/著 風涛社

 携帯電話やEメールは、その利便性、伝達の敏速性において重宝であるが、どれも画一的で素っ気ない。ここに収められた作家の書簡からは、息子への慈愛、弟子への激励、恋人への想い等々、作品が見せる作家の顔とは異なる顔が楽しめる。
 そして彼らが期せずして語った社会現象、文化論、人生観なども味わえて興味深い。

図書館へ行こう
田中 共子/著 岩波書店

 図書館へ行った事がありますか?本嫌いだから使わないのはもったいない。
読み物以外の本もいっぱい。マンガもあるんですよ。
 図書館の常連の君、図書館を最大限に活用するテクニックを知りたくない?
この本を読んで達人になりませんか。

エミリー・ザ・ストレンジ
コズミック・デブリ/作 宇多田 ヒカル/訳 メディアファクトリー

 訳者が宇多田ヒカルってことで話題になったので、この本のことを知っている人も多いかもしれない。エミリーは黒髪で無表情の女の子。相棒は黒い猫。エミリーは、絶対に媚びたりしないし、自分ってものをしっかりもっている。なぜか気になるキャラクターだ。この本、1回読んだだけじゃ、理解なんてできないよ。

ゲームの名は誘拐
東野 圭吾/著 光文社

 家出した少女と、彼女の父を敵視する男。ふとしたきっかけで出会った2人。奇妙な連帯感から“誘拐”というゲームが始まる。身代金は3億円。完璧な作戦でまんまと3億円手に入れて、人質は無事解放でゲームオーバーのはずだったのだが・・・緻密に練られたゲームの結末は?そして最後に笑うのは、いったい誰なのか?

自分の感受性くらい
茨木 のり子/著 花神社

 大正末年大阪に生まれ、結婚前後から詩作を始めた著者。作品から溢れる研ぎ澄まされた感性は、若々しく瑞々しく、常に背筋を伸ばした凛とした美しさがある。
 自分の感受性くらい/自分で守れ/ばかものよ/表題詩の最終節。
 自己への厳しさ、叱責は、同時に読む者の胸を深くつき、叱り、そして激励する。

ハンテッド 足跡鑑定のプロフェッショナル トム・ブラウンの事件ファイル
トム・ブラウン・ジュニア/著 さいとう ひろみ/訳 徳間書店

 行方不明者や犯罪者を捜し出せる驚異の能力をもつトム・ブラウンは、トラッカーと呼ばれる足跡鑑定のプロフェッショナルである。彼は人や動物の足跡から過去を読み取り、現在や未来までも正確に予測することができるのだ。その技術で、これまでに警察が発見できなかった人々を見つけ出してきた。5つのエピソードはすべて実話に基づいている。

Japan underground
内山 英明/著 アスペクト

 横長のページをめくると、ゲームやSF映画を思わせる近未来の光景が広がる。が、それはすべて私達の足下に広がる広大な地下世界だ。太い銀色のチューブが絡まり合ったニュートリノ装置、大阪市内を北から上本町へと抜ける直径30kmの送電線、慶応大学の地下に横たわる旧海軍秘密基地。単純な「美しさ」ではない、それでいて目を奪われる写真集。

脳と心の地形図 ビジュアル版
リタ・カーター/著 藤井 留美/訳 養老 孟司/監修 原書房

 私たちはなぜ様々なことを覚えているのだろう。普段意識もしない、自転車の動かし方。はるか遠い田舎の家へと向かう道順。幼い日、跳ねかけられた車のライト。記憶は「脳」がつかさどる。が、実は、先の三種類の記憶は、脳の別々の場所にしまいこまれているのだ。多くのカラー画像と具体例をもとに、判りやすく「脳と心の地図」を紹介する一冊。

オーケストラ楽器別人間学
茂木 大輔/著 草思社

 バイオリン、ファゴット、ティンパニ……音も姿も様々な楽器を奏でる演奏者たちが集まったのがオーケストラ。彼らはパートナーたる楽器によって、性格が判るのだ!!また、これから楽器を選ぶ人も、より賢明な選択が可能。例えば、某国首相にはバス・クラリネットがお似合い!なぜなら……現役オケ団員である作者が展開する、爆笑を呼ぶ人間分析。

この方法で生きのびろ!
ジョシュア・ペイビン/著 デビッド・ボーゲニクト/著 倉骨 彰/訳 草思社

 映画かドラマの世界のことのようだ。こんな場面に遭遇しないかも知れない。が、少しでも生きのびたければ、読んでいて損は無い。パニックになった時にこそ冷静さが必要である。備えあれば憂い無し。あとは、運を天にまかすだけ。

フットサル攻略マニュアル100
須田 芳正/著 日本放送出版協会

 ワールドカップサッカーを観てサッカーファンになった人も多いと思う。気軽にサッカーをしたい方は「フットサル」というスポーツをお勧めします。
 10人(老若男女問わず)集まれば気軽にできる。花形ポジションはゴールキーパーです。

ザガズー じんせいってびっくりつづき
クエンティン・ブレイク/著 谷川 俊太郎/訳 好学社

 ジョージとベラは、幸せに暮らしていました。そんな二人のところに小さなピンクの生き物が届けられます。名前はザガズー。育てはじめるのですが、はげたかの赤ん坊になったり、小さなぞうになったりと変身して困らせるようになります。一体最後は何になるんでしょう?

アニマルアイズ2 動物の目で環境を見る 死を食べる
宮崎 学/著 偕成社

 小さな虫に蟻が群がっているのを目にしたことがあるだろう。生きている動物は死ねば誰かに食べられる。何も残らない。人間をはじめとする生き物は死を食べている。それは命の大切さをも教えてくれている。
 食べる前には必ず「いただきます」。

星をまく人
キャサリン・パターソン/著 岡本 浜江/訳 ポプラ社

 この著者・パターソンの作品の主人公はいつだってなにかしらギリギリの問題を抱えている。この作品においても、父親は刑務所で、親の役目をはたしていない母親をもつ家庭のエンジェルは、12歳ながら弟の母親を務め、この機能不全の家庭を懸命に守ろうとしている。そこに次々と押し寄せる厳しい現実。けれど、くじけそうになりながら、彼女は投げずに立ち向かう・・・。少女のひたむきな姿が胸をうつ泣ける小説。

繋がれた明日
真保 裕一/著 朝日新聞社

 殺すつもりはなかったんだ・・目撃者がうそをついた。自分だけが悪いわけじゃないのに・・」
 中道隆太は、ふとした喧嘩のはずみで犯してしまった殺人罪により服役し6年目に仮釈放された。
そして保護司の理解のもと、就職し、まじめに働く隆太の周辺に中傷ビラがばら撒かれた。妹の婚約も破談となる。
 被害者の家族の心の痛み・また加害者の家族のつらさ、ともに重い。
 はたして、隆太の罪は償われたのだろうか?

セカンドサマー トラベリング・パンツ
アン・ブラッシェアーズ/作 大嶌 双恵/訳 理論社

 どんな体型の人にも似合う不思議なパンツが、様々な場所や状況で重要な役割をはたしていく・・・。生まれる前から親友であることが約束されていた少女4人の、ある夏の出来事とその次の夏の物語。

ラーラはただのデブ
シェリー・ベネット/著 中谷 ハルナ/訳 集英社

 ラーラは人気抜群の学園祭の女王。取り巻きに囲まれ高校生活を満喫していた。ところが、謎の奇病にかかり“デブ”になったとたん、あっという間にセレブな学園生活は崩壊。ボーイフレンドとも別離のうえ、“完璧”なはずの家庭も体裁だけを取り繕っていたことに気づく。“痩せている”ことが犯しがたい美の基準とする現代に警鐘を鳴らしつつ、ラーラの再生をさわやかに描いた物語。

走れ、走って逃げろ
ウーリー・オルレブ/著 母袋 夏生/訳 岩波書店

 ホロコーストを生きのびた子どもたちの中には、森に逃げ込んだ子もいました。ユダヤ人であることを隠して農家を手伝ったり、または盗みを繰り返し、一日をただ生きていました。スルリックもその一人でしたが、過酷な生活は彼から過去の記憶も、片手すらも奪ったのです。体験談を客観的にまとめてあっても、胸に迫るものがあります。

イスラームを知ろう
清水 芳見/著 岩波書店

 最近、テレビや新聞などでイスラム関連のニュースがよく取りあげられていますね。仏教やキリスト教に較べて日本人にはなじみのないイスラム教。イスラム社会のことを少しでも知れば、イラク戦争やパレスチナでの争いも理解できるようになるよ。
 礼拝の仕方が図解してあったり、発見の多い一冊。

シカゴよりこわい町
リチャード・ペック/著 斎藤 倫子/訳 東京創元社

 銃はぶっ放す、大ボラは吹く、インチキもする、愛想は悪い・・・・・。7年間、毎年夏休みにこんなおばあちゃんと過ごした兄と妹。田舎での驚愕するばかりの出来事の数々。
 それは、おばあちゃん流の正義と愛の発露の結果なのです。ギャングが闊歩した当時のシカゴより刺激的な田舎町の生活が堪能できます。

吉野弘詩集
吉野 弘/著 角川春樹事務所

 筆者一押しの詩を紹介してもしようがないよね。教護院にいる君たちと同世代の、親なんてうざったいだけっていう少年達が、よく好きだというらしい「奈々子に」の1フレーズを紹介しよう。
  ひとがひとでなくなるのは 自分を愛することをやめるとき・・・・・
  お前にあげたいものは かちとるにむづかしく はぐくむにむづかしい 自分を愛する心・・・・・

僕がほしいのはパパとママと釣りざおだった
リチャード・ミニター/著 雨海 弘美/訳 PHP研究所

 奇声を発し、寝小便をたれ、家じゅうの物を破壊し、叱られれば「死んでやる」とすごみ、放火し、暴れ回る子ども。里子のマイクのことだ。少年が我家で過した最初の1年の、マイクの苦悩、私と妻の迷い、容赦ない5人の息子と1人娘との葛藤。私たちが本当の家族になるまでの物語。

うつくしい子ども
石田 衣良/著 文芸春秋

 9歳の女の子が遺体で発見された。「夜の王子参上! PRINCE OF THE NIGHT これが最後ではない」というメッセージとともに。そして、中学1年の弟が捕まった。なぜ、弟があんなことをやったのか、兄はその理由を探し始める。
 夜の王子とは誰なのか。正しさの基準とは、大人になるとは。

リ・セット
魚住 直子/著 講談社

 母子家庭の中学生、三帆を取巻く人々。何の前触れもなく、とつぜん固まってしまう母。マンション4階のベランダから「呪いをとくために」ものを投げ捨てるソガメくん。クラスメートから疎んじられている女の子<ビミョー>。そして、近所の浜辺でテント生活を始めた、離婚した三帆の父親が伝え聞いてきた、人生をリ・セットするやり方とは・・・?

「2099恐怖の年 シリーズ全6巻」(裏切り逆襲終末の日脱走反乱メルトダウン
ジョン・ピール/著 唐沢 則幸/訳 偕成社

 コンピュータ・ネットワーク化が極限にまで進んだ21世紀末。未知のウィルスを放って大事故を引き起こす天才少年ハッカー。自分の出生に疑問を持つ少年。下層社会に暮らす少女。3人の運命がやがてひとつに結びついて・・・。 
 ここ20年ほど皆無に近かった少年向けの翻訳SFというのがまず貴重。クールな感じの表紙も大人っぽい内容にマッチしている。

ストリートチルドレン メキシコシティの路上に生きる
工藤 律子/著 岩波書店

 2万人以上もの子どもが路上に暮らすメキシコシティ。彼らストリートチルドレンとの出会いを通じて、NGOスタッフである著者は、一国の問題であることを越えて、経済のグローバライゼーションが拡大する貧富の格差、路上生活はせずとも、虐待を受けたり、自分は無価値だと感じている日本の子どもたち等、あらゆる面で私たちとつながっていると訴える。

読書力
斎藤 孝/著 岩波書店

 本を読むことは好きですか。嫌いですか。
 嫌いな人はこの本を読んでみてください。少しは本を読む気になるでしょう。好きな人はそうだそうだと共感を覚えるでしょう。そして、巻末のブックリストを持って、書店へ走りたくなるかもしれません。

父さんのからだを返して 父親を骨格標本にされたエスキモーの少年
ケン・ハーパー/著 鈴木 主税/訳 小田切 勝子/訳 早川書房

 もしもあなたの家族の遺体が博物館に展示されていたら?
 エスキモーの少年・ミニック親子はグリーンランドからアメリカにつれてこられた。彼らは、珍種動物同然の扱いを受けた。そのあげくに、気候・生活習慣の違いから、仲間たちが病に倒れる。ミニックの父・キスクも死亡した。 ある日、ミニックは埋葬されたはずの父が博物館で骨格標本として展示されているのを見つけた。
 父を取り返すためのミニックの訴えは、聞き入れられたのか?

心理学者が亀に恋した理由
中村 陽吉/著 毎日新聞社

 ヒヨシ先生は心理学者です。先生は
・呼べば来る亀―カメちゃん
・呼ぶと来ない亀―ガマちゃん
・呼びに来る亀―シンちゃん
と暮らしていました。3匹それぞれ個性があります。同じ亀でもこんなに違うの?とびっくりするお話がいっぱいです!
 亀との関係は人間関係にもあてはまるのですよ。亀好きの方にはたまらない一冊です。

スノーモンキー
岩合 光昭/写真 岩合 日出子/文 新潮社

 長野県地獄谷のニホンザルの群れは、冬に温泉を楽しむ猿で「スノーモンキー」として知られています。
 うっとりと目を閉じて温泉につかるお猿さんたち。そのひとつひとつの表情は妙に人間くさい。
 あなたもきっと、どこかでみた顔?をこの本の中のお猿さんたちから見つけることでしょう。

こんなに面白い大宇宙のカラクリ 「すばる」でのぞいた137億年の歴史
二間瀬 敏史/著 山田 亨/著 講談社

 夜空を見上げると、そこにみることのできるたくさんの星々、人間の眼で見ることのできる世界より、もっと遠くの世界を見るために、「すばる望遠鏡」が誕生しました。
 そのすばるで観測されたのは実際に起こったことばかり、そこからみえる「宇宙の歴史」をのぞいてみませんか。

女生徒
太宰 治/著 角川書店

 太宰治の本はたくさん出版されているが、女性の独白形式の小説を集めたこの本が一番おすすめ。年下の恋人のために万引きをしてしまう娘、皮膚病をきっかけに寡黙な夫を一層好きになる妻、大恋愛の末に貧乏画家と結婚したものの売れた途端変わってしまった夫に別れを告げる妻・・
 男性作家とは思えない、恋する女たちがここにいる。

月の影 影の海(十二国記)上 
小野 不由美/著 講談社
 

 高校生・陽子の前に突然現れた男。ケイキと名のる男は陽子を異界へと導く。妖魔に襲われ、傷つきながら孤独な旅を続ける陽子の辿り着く所はどこなのか。
 現在、講談社X文庫で11冊刊行。(講談社文庫版は9冊)

しゃべれどもしゃべれども
佐藤 多佳子/著 新潮社

 俺の名前は今昔亭三つ葉。まだ二ツ目だが、一応プロの噺家。そんな俺が落語教室を開くことになった。生徒は二枚目なのに口下手なテニスコーチ、大阪から転校してきた小学生、大根役者と罵られ恋人も舞台も失った女、解説者に不向きなもと野球選手。
 それぞれ“しゃべること”に悩みのある、不器用でどこか滑稽な俺たちの物語。
堺市立図書館 平成15年12月発行


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