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「図書館で解決!?」 第27号
日本の古典芸能を調べる
「能・狂言」「文楽」「歌舞伎」について

堺市立図書館
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観劇は心弾むものですが、古典芸能となると歴史や文化的背景を知らない初心者にとってはとっつきにくいものですね。そんな方々にも手に取りやすい本もあるので、事前に目を通してから劇場に行くと理解が深まります。最近では「古典芸能鑑賞」という授業を取り入れている学校もあり、子ども向けにわかりやすく解説している本も出版されています。


カット:連獅子を演じるハテナちゃん 目次

初心者のために

以上の2点は、子ども向けの書籍ですが、大人の方にも便利です。

『能にアクセス 劇場に行こうシリーズ』  井上由理子/著 淡交社 2003
『歌舞伎にアクセス 劇場に行こうシリーズ』  伊達なつめ/著 淡交社 2003

 チケットの取り方、劇場への行き方など、初心者が楽しむきっかけをつかめるガイドブックです。
 また、各芸能の花形役者が案内するガイドブックも出版されています。

『茂山宗彦・茂山逸平と狂言へ行こう』  茂山宗彦/著 旬報社 2001
『豊竹咲甫大夫と文楽へ行こう』  豊竹咲甫大夫/著 旬報社 2004
『市川染五郎と歌舞伎へ行こう』  市川染五郎/著 旬報社 2000
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もう少し詳しく知りたい方のために

何度も劇場に通ううちに、お芝居の背景をもっと知りたいという気持ちになります。
1冊で情報が盛りだくさんの三省堂のハンドブックシリーズは、幅広い知識を仕入れるのに便利です。

カット:人形浄瑠璃を演じるハテナちゃん
『能楽ハンドブック』  戸井田道三/監修 三省堂 2008
『狂言ハンドブック』  小林責/監修 三省堂 2008
『文楽ハンドブック』  藤田洋/編 三省堂 2011
『歌舞伎ハンドブック』  藤田洋/編 三省堂 2006

衣装や小道具大道具など、裏方の仕事にも興味を持たれた方向けに、舞台裏の様子が多種多様に紹介されている本があります。

『舞台裏おもて』  マール社 2006

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演目やあらすじを調べる

図書館での調べ物の問い合わせに多いのが、「演題の読み方」や「お芝居のあらすじ」です。便利な事典類が多数出版されています。

『能鑑賞二百一番』  淡交社 2008
『新版 歌舞伎事典』  平凡社 2011

俳優名鑑や家系図なども載っています。

『歌舞伎登場人物事典』  白水社 2006

作中人物の通称からも調べられます。

『歌舞伎浄瑠璃外題よみかた辞典』  日外アソシエーツ 1990

演題の読み方がまったく読み方がわからなくても、漢字の画数から引ける辞典です。
なお、歌舞伎には文楽から取り入れられた「丸本(まるほん)歌舞伎」という分野があるので、共通の演目は、歌舞伎・文楽どちらの事典でも調べることができます。

『あらすじで読む 名作文楽50』  高木秀樹/著 世界文化社 2005
『上方芸能事典』  森西真弓/編 岩波書店 2008

各芸能のつながりや、人名・地名など総合的に調べることができる事典です。


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原作・台本を読む

原文と現代語訳を対照して読むことができる古典文学全集があります。

対訳が読みにくい、もっとやさしい現代語訳あるいは物語として読んでみたいという方には、ヤングアダルト向きの本があります。

歌舞伎の台本として読んで楽しめるのが、以下のシリーズです。


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劇評を読みたい、演者について知りたい

カット:能舞台の袖で演奏するハテナちゃん
『かぶき手帖』   社団法人 日本俳優協会 2011

毎年改訂されて出版されています。 歌舞伎役者だけでなく、長唄や竹本などの演奏者の紹介もある名鑑です。

『演劇界』  演劇出版社

歌舞伎中心の劇評月刊雑誌です。

『上方芸能』  上方芸能編集部

関西圏の劇評が充実している季刊雑誌です。
既刊特集には、関西で活躍されている古典芸能各分野の名鑑があります。
人気のある役者は、芸談や写真集など多数出版されているので、図書館の蔵書検索で「著者名」や「件名」にひいきの方の名前を入れて、検索してみてはいかがでしょうか。


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Webで調べる

インターネットを使うと、最新の演劇情報を確認することができます。演者個人のHPを持っている方も多いので、リンクされているサイトもあります。
代表的なHPを紹介します。

公益社団法人 能楽協会HP   http://www.nohgaku.or.jp/  
the 能 ドットコム   http://www.the-noh.com/jp/  
財団法人 文楽協会HP   http://www.bunraku.or.jp/  
歌舞伎公式ウェブサイト歌舞伎美人(かぶきびと)  http://www.kabuki-bito.jp/  

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 今回は、ユネスコの無形文化遺産に指定されている日本の古典芸能「能楽(能・狂言)」「人形浄瑠璃文楽(以後『文楽』と表記)」「歌舞伎」について、とりあげてみました。
 最近の劇場では、初心者にも親しんでもらうために色々な工夫を行っています。舞台の流れと同時進行のイヤホンガイドを貸出して、見どころの解説や、演者の紹介などをしてくれたり、国立文楽劇場にいたっては、舞台の上に字幕で床本(台本)の文章を映し出して理解を助けています。それでも、書物を広げて読んでみれば、もっと幅広く興味を持って、お芝居を楽しむことができるのではないでしょうか。
 各古典芸能の奥深い魅力を伝える本がたくさん出版されています。


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(今回掲載しているのは、すべて平成23年 6月23日現在の所蔵状況です。)