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平成11年9月1日/制定

基本的な考え方

この基準は、堺市立図書館として、最低限の保存基準を定めたものである。

したがって、利用度が高く、しかも開架スペースに収容できなくなった資料の収容・保存については、その利用度・利用年限・利用方法を充分検討すること。

1 原則として保存する資料(群)

  • (1) 寄贈の各文庫(個人コレクション)
  • (2) 和漢書(『堺市立中央図書館蔵和漢書目録』に収録されている資料)
  • (3) 旧分類資料(「日本十進分類法」採用前の資料)

2 一般資料

原則として1書誌1冊の保存が望ましい。ただし、出版事情、蔵書構成、利用者の需用及び資料の保存価値等を総合的に判断して、所蔵する必要がないと認められる資料については、この限りでない。

なお、以下の資料については、つぎのとおり取り扱うものとする。

  • (1)同一内容(解説も含む)の文庫本については、廃棄することができる。
  • (2)趣味・娯楽・実用書については、類書で5冊程度の保存とする。(注1)
  • (3)旅行ガイドについては、原則として保存しない。

3 調査・研究資料

原則として1書誌1冊の保存が望ましい。ただし、出版事情、蔵書構成、利用者の需用及び資料の保存価値等を総合的に判断して、所蔵する必要がないと認められる資料については、この限りでない。

なお、以下の資料については、つぎのとおり取り扱うものとする。

  • (1)辞・事典類、図鑑の古いもので、かつ他に類書があるものは、廃棄することができる。
  • (2)旧版の内容がすべて含まれて、新しく新版が出版された場合の旧版資料は、廃棄することができる。
  • (3)自然科学・科学技術の資料で、記述内容が時代に合わなくなったものは、廃棄することができる。
  • (4)百科事典など、同一タイトルで新しい版が出版された場合には、特定のタイトルを定めて保存を決める。

4 地域(郷土)資料

原則として1書誌1冊。ただし利用の多いものについては、複本で保存する。

また、貴重資料や資料を直接閲覧する事が難しい資料(劣化・破れ・コピー等)については、積極的にマイクロフィルム化等を実施し、それら複製資料による資料提供もあわせて実施する。

5 児童資料

原則として1書誌1冊の保存が望ましい。ただし、出版事情、蔵書構成、利用者の需用及び資料の保存価値等を総合的に判断して、所蔵する必要がないと認められる資料については、この限りでない。

なお、以下の資料については、次のとおり取り扱うものとする。

  • (1)紙芝居・コミック(CO)・カセットブックについては、廃棄することができる。
  • (2)主題の本については、以下にあげるもの以外は、廃棄することができる。
    • @ 旅行記・伝記・生き方など著者性のつよいもの
    • A 特に指定した年鑑類
    • B 他に類書のないもの

6 雑誌

雑誌の内容により、永年・5年・3年・1年の保存年限を決定する。

個々の雑誌の保存年限については、担当者会議で検討するが、その基本的な判断の基準は、以下のとおりとする。

  • (1) 永年保存する雑誌
    • @ 調査・研究に役立つ、限られた主題を深く取り扱っているもの
    • A 市立図書館でしか収集・保存されないと予想される主題で、かつ蓄積されることにより、調査研究に役立つもの
  • (2)5年保存の雑誌
    • @ 公共図書館でしか収集・保存されないと予想される主題で、娯楽性があり、比較的バックナンバーが利用されるもの
  • (3)3年保存の雑誌
    • @ 内容的に同じパターンで、主にその時々での新鮮さが求められるもの
    • A 娯楽性が強く、バックナンバーもよく利用されるもの
  • (4)1年保存
    • @ 古くなれば顧みられないもの
    • A 図書等、他の資料で情報が得られるもの

補足(平成11年9月1日)

(注1)

(1) 趣味・娯楽、実用書

学問的なものではなく、楽しみとして愛好する趣味・娯楽の本や、日常生活に必要な技術・技能等を、実際すぐ利用できるように平易に書いた入門書。

主に下記のような分野を想定している。(ほかにも細かい色々な分野がありうる)

007.64
コンピュータプログラミング

148
占い・運命判断

336.9
経営管理

385.9
礼儀作法・社交

59△
家事

529(597・757)
インテリア・室内装飾

62△
園芸

64△(66△ )
ペット飼育法

75△
趣味の工芸

76△
音楽楽譜

78△
スポーツルールなど

79△
生花・茶道など

81△
話し方・文章作法


(2)類書

テーマ、方法、時代、観点、読書対象などが類似しているもの。
分類の類綱目などの単位で規定してしまえるものではなく、その分野によっては、例えば594.2の刺繍でもフランス刺繍、スウェーデン刺繍と、別の分野がいくつも含まれている分類や、007.64のコンピュータプログラミングのように、その時代に多く発生する分野もあるので、資料の内容によって個別に判断が必要である。