堺市 図書館トップページ堺市立図書館について> 堺市立図書館資料収集方針 
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 はじめに

 現在の「堺市立図書館収集方針」は、1976年に作成されたものであり、10年余を経過している。その間、地区図書館・分館の建設も進み、資料費も堺市全体でみると約9倍に増加している。
 市民の図書館に対する認識も変化し、要求も一層多様化してきた。
 そこで、資料費を効果的に運用し、市民に対してより有効な資料提供がなされるよう、また、図書館がシステムとして活動するためにも、堺市全体の資料管理についての検討が急務の課題となってきた。
 この収集方針は、1986年にまとめられた堺市立図書館協議会の「堺市における図書館計画策定のための基本方策について-答申-」を受け、その後図書館で答申検討委員会、業務別委員会を経た後、資料収集方針検討委員会として検討されたものである。
 今回検討するにあたっては、上記にも示したように、また基本方針でも言っているように、堺市の図書館全体の収集方針として考えた。各パート・各館の収集方針が必要であることは言うまでもないが、それには、それぞれのサービス方針・運営方針が明らかにされるべきであろう。また、それらのサービス方針・運営方針は、堺市立図書館としての長期的・全市的なものでなければならない。現時点で、その点に触れるのは時期尚早と考えた。
 今後、各奉仕の現場で、この収集方針を生かした資料の収集をし、サービスを繰り広げる中で、選択基準・蔵書構成等の検討も時期をみて行う必要があろう。
 さらに、サービスの拡充・利用の実態に応じて、収集方針の改訂も適宜加えていくことが大切である。
 なお、今回検討できていない新聞およびA.V.資料・特殊資料(コレクション)については、業務別委員会がまだ持たれていないので、今後委員会の報告を待って、収集方針に盛り込むことを考えたい。

1990年3月31日
堺市立図書館資料収集方針検討委員会


 基本方針

1.堺市立図書館は、図書館法に基づく公立図書館として、すべての市民の知る権利、学ぶ権利を保障するために、図書館サービス網の総力をあげて、市民への資料提供を無料で行う。
 市民への資料提供は、市民の図書館に対する期待と要求にそった資料収集を前提としている。したがって、リクエストのあった資料は最大限提供するよう努める。
 図書館の資料収集と提供は、分室・分館・白動車文庫・地区館・中央館および連絡車によって構成される図書館サービス網の充実によって市内全域に実現される。この図書館サービス網は、構成する館各々の活動の独自性を尊重しつつ、総体としての資料の豊かな蓄積と、その流通によって発展するものである。
 市民から図書館に寄せられる寄贈本は、図書館に対する市民の期待と信頼によるものと受け止め、受け入れにあたっては他の資料と同様、この収集方針に基づいて選択する。


2.すべての市民を奉仕対象とする公立図書館として、当面する次の課題にそって収集を行う。

(1) 市民が資料の利用を通して学び、楽しみ、豊かな生活を創造するのに役立つ。
(2) 市民が仕事のためや社会生活を送る上で、必要な知識や情報を得るのに役立つ。
(3) 子どもたちが読書の喜びを発見し、情緒豊かに成長していくのに役立つ。
(4) 若者たち(ヤングアダルト)が多様なメディアによる資料を介して、自己の可能性を発見し、健やかに成長するのに役立つ。
(5) 高齢者が、地域社会のなかで生きがいを持ち、社会参加するのに役立つ。
(6) 図書館利用に障害のあるすべての人々が、市民として平等に図書館サービスを受けるのに役立つ。
(7) 人権を守り、差別のない社会を創るために役立つ。
(8) 地域社会の一員として、地域の文化や行政に関する理解を深めることに役立つ。
(9) 主権者としての市民が、国政や地方自治など時事に関する理解を深め、行動することに役立つ。

 これらの事項を達成するために、図書に限らずあらゆるメディアによる資料を収集の対象として考える。


3.資料収集にあたっては、「図書館の自由に関する宣言」を基本精神とし、思想・信条の自由は最大限に生かすことを確認する。すなわち

(1)多様な、対立する意見のある問題については、それぞれの観点に立つ資料を幅広く収集する。
(2)著者の思想的・宗教的・党派的立場にとらわれて、その著作を排除することはしない。
(3)図書館員の個人的な関心や、好みによって選択しない。
(4)個人・組織・団体からの圧力や干渉によって、資料収集の自由を放棄したり、紛糾を恐れて自己規制したりしない。
(5)市民の知る権利は、表現の自由・言論の自由とともに出版の自由のもとに、はじめて達成できるものである。書籍や情報の流通に深くかかわっている図書館は、書店では入手困難な出版物も、十分注意して収集し、市民に提供する役割をもつ。

 資料の収集・提供に携わる図書館員は、自律的規範としての「図書館員の倫理綱領」を尊重して、その職務を遂行する。
 なお堺市では、結婚差別・就職差別に直接つながる身元調査に関して「身元調査お断り運動」を実施しており、当館でも冠婚葬祭図書については、人権擁護の立場から、そのような記述のない資料を収集するよう努めてきた。今後も、人権にかかわる問題については研修を深め、慎重に取り組む必要がある。


4.図書館の収集した資料が、どのような思想や主張をもっていようとも、それを図書館および図書館員が支持することを意味するものではない。
民主主義の基本は、個々の多様性を認め合うことであり、各々の資料が表現する思想や主張は、一人ひとりの読者が判断するものである。そのためにも、図書館は出版流通にのりにくい資料も含めて、さまざまな考え方をもつ資料をそろえ、利用に供さなければならない。


5.この立場を現実のものとするために、資料収集の実際にあたっては、奉仕担当者からなる選択会議が必要であり、そこでの判断が尊重される。さらに、図書館法第13条にあるとおり、選択・収集した資料と情報を、組織化して市民に提供する責任者は、図書館長である。


6.この収集方針は、図書館にとっては、資料収集の基本姿勢を不断に確かめるために、また市民には図書館サービスの基本について理解を広げるために、常に公開し、市民の利用実態、図書館サービスの進展に合わせて、適宜改訂していくものである。
 図書館は、資料収集についての市民の意見には、謙虚に耳を傾け、誠意をもって応えるものである。

 一般資料

収集の基本的な考え方


1.いくつかの意見に分かれるものについては、自己規制に陥ることなく多様な観点の多様な資料を収集する。

2.書架に古い本しか並んでいないことにならないように、資料の更新には絶えず気をくばる。改訂版が出れば入れ、最新の情報が必要なものはどんどん新しいものを収集し、生き生きした書架にする。

3.生涯学習が叫ばれる現在、利用者が図書館に求めるものは、より高度になってきている。必要な資料はたとえ高度に専門的であっても、また、日本語以外で書かれたものであっても収集する。

4.継続的に入れるべき資料は抜けのないよう、確実に収集する。

5.利用者からの要求があった資料は、可能なものはすべて収集する。


0類総記(図書館、書誌学、百科事典、逐次刊行物、叢書)

(1)図書館に関する資料は、図書館以外の機関ではほとんど見られないことを考慮し、積極的に収集する。
(2)百科事典、年鑑などは、豊富な資料を収集する。
(3)情報科学については、時代にとり残されることなく新しいものを順次収集する。重点的に収集するものを以下に列記する。

007情報科学
 現在注目されている分野であり変動が激しいので、次々に収集する。代表的なコンピュータ・プログラミング言語の基本書はすべて収集する。

010〜020図書館〜図書、書誌学
 図書館については、専門性の高い資料まで積極的に収集する。また各種の目録、書誌、本についての資料は、できるだけ豊富に収集する。通常の出版・流通ルートにのらないものが多いので留意して収集する。また、図書館が発行する各種資料も収集する。

030百科事典
 参考図書としてだけでなく、楽しみのために利用する人もいるので、豊富な資料を収集する。

070ジャーナリズム、新聞
 言論・表現の自由は図書館とも深いかかわりをもつ分野でもあり、積極的に収集する。

080叢書、全集
 ここには他の部門に入らないものを入れるが、主要な叢書、全集を収集する。


1類哲学(哲学、心理学、倫理学、宗教)

(1)生き方にかかわる分野なので、先入観を持たず幅広く収集する。
(2)各分野の基本書、入門書を中心に必要な専門書も収集する。

100哲学
 代表的な哲学書は、すべて収集する。

120〜130東洋思想〜西洋哲学
 積極的に豊富に収集する。

147〜148超心理学、心霊研究〜相法、易占
 話題になっている資料を、偏見にとらわれて排除しないように収集する。

159人生訓、教訓
 幅広く豊富に収集する。

160〜199宗教
 さまざまな宗教があるが、平等に扱うようにする。原典、宗教史、教義、入門書、解説書などを収集する。個々の宗派や新興宗教、諸小宗教の教典、教義も収集する。


2類歴史(歴史、伝記、地理、紀行)

(1)歴史については、多様な資料を収集する。利用の多い分野なので、一般向けに書かれた歴史読物から入門書、概説書、研究書、史料など幅広く収集する。
(2)地理については、最新のものを収集する。

210日本史
 一般から学生、専門家まで利用の多い分野なので、多様な観点のものを幅広く収集する。

210.7現代史
 積極的に収集する。特に戦争、原爆についての資料は多数収集する。

211〜219地方史
 各県の県史はすべて収集する。有名地域の資料、関西地域の資料は積極的に収集する。
地方出版の本にも目を広げて必要なものを収集する。

220〜279各国史
 多くの国について積極的に収集する。特にアジア地域については、侵略を受けた側としての戦争に関する資料は留意して収集する。少数民族の歴史がわかるような資料もできる限り収集する。

280伝記
 できるだけたくさんの資料を積極的に収集する。

290地理、地誌、紀行
 旅行案内、観光案内、地図などは、国内国外とも豊富に用意し、更新に気をくばり最新のものが絶えずあるようにする。ドライブマップ、ロードマップも、最新のものを入れるようにする。


3類社会科学(政治、法律、経済、統計、社会、教育、民俗、軍事)

(1)時事性の高い分野なので、多様な観点に立つ資料を幅広く収集し、常に新鮮なものをそろえるようにする。
(2)話題になっている資料は、できるだけ早く収集する。
(3)必要な専門書は、積極的に収集する。

302政治・経済・社会・文化事情
 話題になっている資料、新しい資料を豊富に収集する。

304論文・講演集、社会評論、雑著
 急激に変化している現代社会にあっては、社会評論など、この分野の需要は高い。
出版点数も多く、利用も多い分野なので積極的に収集する。

309社会思想、社会主義
 代表的な思想家の資料は、もれなく収集する。

310政治
 多様な観点の資料を幅広く収集し、偏りがないようにする。古典的なものも時事性のあるものも収集する。

316国家と個人・宗教・民族
 多様な観点の資料を幅広く収集する。

318地方自治、地方行政
 積極的に収集する。

320法律
 各分野の基本書を体系的に収集する。法令集、判例集は幅広く集め、絶えず更新に気をくばる。
必要な専門書は積極的に収集する。

323憲法
 国民生活に重要なかかわりをもっており、論争点も様々あるので、積極的に幅広く収集する。

330〜339経済
 経済の問題は、社会生活に密着し、、現在関心を集めている分野なので、更新にも気をくばり新鮮な資料をそろえるようにする。

340財政
 時事性のある入門書・概説書を中心に収集する。必要な専門書も収集する。

345税金
 生活に直接関わる分野なので、実用書を幅広く収集し、新鮮な資料をそろえるようにする。

350統計
 社会のしくみを理解するのに必要な統計類を継続して収集する。

361社会学
 同和問題、部落解放
 積極的に収集する。多様な観点に立つ多様な資料を収集する。

364年金、保険
 生活に密接に関わる分野なので、新しい実用書を幅広く収集する。

365生活・消費者問題
 より多くの知識を利用者が得て、生活に役立てるように、時事性のある資料を積極的に収集する。

367家庭・性問題
 関心の高い分野であり、さまざまな本が出版されているので、多様な観点の資料を積極的に収集する。

369社会福祉
 これからの時代、ますます重要な問題になると思われるので、できるだけ多くの資料を収集する。

370教育
 社会的関心を集めている分野なので、多様な観点の多様な資料を収集する。最新の資料を迅速に入れるように留意する。

380風俗習慣、民俗学
 民俗学については、積極的に収集する。
冠婚葬祭については、記述に人権上問題がないものであれば、実用的で新しい資料を積極的に収集する。

390国防、軍事
 多様な観点の多様な資料を幅広く収集する。


4類自然科学(数学、理学、医学)

(1)自然科学は進展が著しく関心の高い分野なので、最新の情報を常に提供できるように留意する。
(2)入門書、概説書を中心に収集するが、必要な専門書は収集する。

410〜430数学、物理学、化学
 入門書、概説書を中心に収集する。

440天文学、宇宙科学
 最新の学問の傾向に留意して収集する。

450地球科学、地学、地質学
 環境問題として世界的規模で大事な分野であり、社会的にも大きな関心を呼んでいる分野なので、入門書から専門書まで積極的に収集する。

460生物科学、一般生物学
 入門書、概説書を中心に収集する。

470〜480植物学〜動物学
 かなり詳しい知識まで調べに来る人も多いので、入門書、概説書だけでなく必要な専門書も収集する。

490医学、薬学
 大変利用の多い分野なので、入門書、概説書を中心に積極的に幅広く収集する。
また利用者の要求する資料はどんどん高度になってきていることを考慮し、専門書であっても検討して収集する。


5類技術(工学、工業、家政学)

(1)科学技術は進歩が著しく、ともすれば本が古いものばかりで魅力のない書架になりがちである。また今後ますます需要が増えることが予想されるので、最近の動向に遅れないよう、情報に絶えず気をつけて専門的なものも入れるようにする。
(2)日常生活の手助けとなるような資料については、役立つ図書館をめざし力を入れて収集する。
(3)自転車、線香、刃物などの地場産業についての資料は、積極的に収集する。

519公害、環境工学
 堺市には臨海工業地帯がある性質上、公害の本の収集には力を入れてきているが、今後も普遍的な問題として積極的に収集していく。

527住宅建築
 597とも関連するが、新築、改築にも役立つようなインテリアや間取りについての新しい資料はどんどん収集する。

536運輸工学、車輌、運搬機械
 クルマの構造や手入れの本は、積極的に収集する。

539原子力開発、原子カ産業、原子力行政
 現在関心を集めており対立する意見の分野であるが、多様な観点のものをそろえるようにする。

546電気鉄道
 鉄道に関する資料は、一般・児童とも絶大な人気がある。特に写真・図版の多い資料は利用が多く破損しやすいので、新しい資料を次々に収集して補充していく。

590〜596家政学、生活科学〜食品、料理
 家庭の実用書を十分に置くことで、利用者が図書館を身近に使えるようにする。
魅力ある明るい書架になるよう、新しい資料は同じようなものがすでにあったとしても必要なので、できる限り豊富に収集する。特にファッションには流行があるので留意する。

597住居、家具調度
 すまいやインテリアヘの関心はかなり高いので、足りないことのないように、新しい魅力ある資料を豊富に収集する。

599育児
 核家族化が進んでいる今、育児を本に頼る若い母親は確実に増えている。その要求に応えるよう多様な観点の資料を豊富に収集する。


6類産業(農林業、水産業、商業、交通)

(1)第一次産業
基本的なものを中心に収集する。
(2)第二次産業
5類(3)を参照
(3)第三次産業
変動が激しいので、新しい資料を積極的に収集する。

610農業
 様々な問題が出てきており、また「食」に関わる非常に重要な分野なのでおろそかにしないようにする。

620〜628園芸〜園芸利用
 園芸をする人のために多様な種類の栽培法の資料をとりそろえ期待に応えるようにする。さらに詳細な知識も得られるような専門書を収集する。

629造園
 家庭の庭や門扉づくりに役立つような資料を積極的に収集する。

640畜産業
 輸入牛肉など、出版点数は多くないが、留意して収集する。

645〜649(666も含む)家畜各論〜獣医学、水産増殖
 ペットの飼い方、病気の治し方は、子どもから大人まで利用するのでわかりやすく書かれたものを中心に収集する。一般的でない動物や個々の種類(たとえば犬でもいろんな種類)の説明のある資料も豊富に収集する。

670〜675商業〜マーケッティング
 商店経営に役立つ実際的な知識、話題性のある資料を豊富に収集する。

685〜687陸運、自動車輸送、鉄道、航空輸送
 546と同様、新しい資料を豊富に収集する。

690〜699通信事業〜放送事業:テレビ、ラジオ
 新しい通信システムについての資料を時代におくれず収集する。


7類芸術(美術、音楽、演劇、体育、諸芸、娯楽)

(1)図書館は利用者の文化的要求にこたえ、手助けする役割を持っている。実際に美術品を目にするだけでなく、資料を通して楽しみ、また芸術に関する資料を読むことで興味をより一層深めることができる。そのために役立つ資料はたとえ高価でも必要であるので、豊富に収集する。
(2)手づくりのための資料は、わかりやすいものを中心に高度な技術のものまで豊富に収集する。

724絵画材料・技法
 いろいろな画法の資料を豊富にとりそろえる。

726漫画、挿絵、童画
 漫画はひとつのジャンルとしてとらえ、収集分野に加える。漫画に関する資料についても留意して収集する。

727グラフィック・デザイン、図案
 需要が多く、常に書架には古いものしか並んでいないことが多いので、新しい資料を積極的に収集する。
イラスト、カットなどは足りないことがないよう豊富に収集する。

728書道
 さまざまな書体の資料を、古典的なものも実用的なものも収集する。また、書道の世界には技術だけでなく歴史的知識も必要とされるので、そういう資料にも留意して収集する。

730版画
 この分野は各種の詳しい技法書は入りにくいので、留意して収集する。

740写真
 趣味でもかなり深く追求する人が多いので、入門書から高度な専門書まで豊富に収集する。

750工芸
 各種のものが含まれ、趣味として手がける人の多い分野なので、十分満足してもらえるよう豊富に収集する。特にわかりやすい図解の資料は豊富に収集する。

760〜769音楽〜舞踊、バレエ
 幅広い世代に人気のある分野なので、あらゆるジャンルのものを収集する。ギター、ピアノなどの楽譜はヤングに圧倒的人気があるので留意してできるかぎり豊富に収集する。西洋音楽にかたよらず、邦楽、民族音楽なども留意して収集する。
また、音楽という分野の性質上、活字資料だけでなく新しいメディアも積極的に収集する柔軟な姿勢が大切である。

770〜779演劇〜大衆演芸
 できるだけ豊富に収集する。特に脚本などは少ないので留意して収集する。

780スポーツ、体育
 技術書の他、理論、歴史なども留意して収集する。ある程度専門的な資料も収集する。

781〜789体操、遊戯〜武道
 各種スポーツについては幅広く豊富に収集する。新しくできたスポーツは、できるだけ早くたくさん入れるようにする。

790〜799諸芸、娯楽〜ダンス
 利用者の趣向、流行を考慮し、幅広く十分に収集する。
茶道、花道は、いろいろな流派の歴史、理論、作法、道具についての資料を収集する。


8類言語

(1)その言語を使用している人口の多少にかかわらず、あらゆる言語の資料を豊富に収集する。
(2)辞典は多数用意し、足りないことのないようにする。各言語の貸出用複本を用意する。
(3)日本語以外で書かれた語学の本やテープ教材も必要に応じて入れる。

810〜818日本語〜方言、訛語
 広範囲にわたってかなり専門的なものまで収集する。

820〜829中国語〜東洋の諸言語
 近隣国の言語、特に中国語、ハングル等は、これまで必要度が高いにもかかわらず不十分だったので、留意して収集する。その他の言語もできるかぎり収集する。

830〜899英語〜国際語(人工語)、エスペラント
 辞典の基本語彙だけでなく、同義語、古語など多種多様なものが必要とされるので幅広く収集する。


9類文学

(1)作家論、作品論、文学史、古典などは関心も高く、利用の層も幅広いので、わかりやすい入門書から専門書まで収集する。
(2)堺市所蔵の和漢書についての研究書、書誌解題などは留意して収集する。
(3)現代小説は、特に最も利用の多い分野なので、国内国外とも豊富に収集する。
(4)日本語以外で書かれた作品も必要に応じて収集する。

909児童文学
 児童書に関する研究書は、かなり関心の高い分野であり、職員の研修用としても必要なので、できるかぎり豊富に収集する。

913.6近代小説
 豊富に収集する。

920〜994中国文学〜その他の諸文学
 日本文学以外は書架に少なくなりがちであり、出版点数の少ない分野もあるので留意して豊富に収集する。

 調査・研究資料

1.調査・研究資料とは

 ここでいう調査・研究資料とは、利用者の調査・研究に役立つ資料すべてが「調査・研究資料」である。公立図書館における調査・研究は、主に一般社会人のそれであり、内容は広範囲に及ぶ。従って館の全蔵書が情報源となる。そのため
@基本的には、全分類の中を入門的なものから専門的なものまで、蔵書構成の層を厚くするよう収集することが大切である。また、
A利用者の求める資料や情報を早く正確に見つけられるように、特別の工夫が施されている資料がある。参考図書と呼ばれるこれらの資料を積極的に収集する。


2.参考図書

 参考図書には、以下のようなものがある。それらがどんな時に役立つかを示し、収集するにあたっての留意点を次にあげる。

(1)案内指示的なもの(書誌、目録、索引)

@書誌、目録、索引は、本や雑誌についての情報を知ることができる。
 たとえばどんな本が出版されているか→全国書誌、販売書誌
 これはどんな本なのか→解題書誌
 この翻訳書はあるのか→翻訳書誌
 政府の出している資料はどんなものがあるか→政府刊行物の書誌
 現在市販されているか→販売書誌
 どこにあるのか→所蔵目録、総合目録
 どの全集・叢書にはいっているか→叢書集成索引
 どんな雑誌が発行されているか→逐次刊行物の書誌
 この記事はどの雑誌のいつの号にあるのか→雑誌記事索引
などである。

a.本のことなら図書館ですべてがわかるぐらいに積極的に収集する。特に、翻訳書誌については質問も多いので最新のものを留意して収集する。
b.叢書集成索引も同じく積極的に収集する。
c.堺市にある大学図書館および商工会議所等の蔵書目録は、ネットワークシステムを構築するためにも積極的に収集する。
d.大阪府立図書館はもちろんのこと大阪府下の公共図書館の蔵書目録あるいは総合目録は利用頻度が高いのでもれなく収集する。特に近隣都市の公共図書館の蔵書目録は必要である。逐次刊行物の目録も同じである。
e.記事索引については、堺市で所蔵・保存しているものが収録されているものは、もれなく収集する。場合によっては自館で作成する。
f.所蔵している逐次刊行物の総目次・総索引はもれなく収集する。


(2)事実解説的なもの(辞書、事典、便覧、図鑑、年表、年鑑)

@辞典類は、ことば・成句に関する情報を知ることができる。
たとえば
 文字の読み方・書き方は?→国語辞典、漢和辞典、難読語辞典
 ことばの意味は?→国語辞典
 語源・字源は?漢和辞典、語源辞典
 ことわざ・成句の意昧は?→ことわざ辞典、名句辞典
 外国語に関することは?外国語辞典
 ことばの発音は?→発音辞典
 その他のことばは?→新語辞典、外来語辞典、同義語辞典 類語辞典、方言辞典、古語辞典
などである。
a.辞典は、単にことばに関する情報だけでなく、一般的な情報源でもあるので、参考図書の中でも重要な位置を占める。従って、各種の辞典をできるだけ豊富に収集する。コンパクトなものから大部のものまで多種多様にそろえる。

A事典には、百科事典と専門事典がある。
 百科事典は、事物・現象・事件・生物などあらゆる主題にわたって解説されているので、どんな分野のことなのか、どんな内容なのか、関係する分野は何かなど、調べる糸口や情報そのものになる。
専門事典は、広範な主題のものから特殊な狭い主題のものまで各種の事典がある。特定の分野のことを詳しく調べたい時や、分野がわかっていて百科事典には収録されていない事柄などを調べる。
a. 百科事典も、項目の概念の大きいものや小さいもの、歴史的事項が記載されているもの、参考文献が記載されているものなど多様な種類を収集する。
b.専門事典は、どの主題ももれのないように収集する。

B便覧は、実用的な知識・技術を習得したり参照する時に役立つ。実例・図解・諸表などを用いて要約的な解説をしていることが多い。しかし、実際の書名では事典と混用されていることもある。同じ部類に要覧、総覧、必携、ガイドブック、マニュアルなどがある。
a.内容は入門的・啓蒙的なものから相当専門的な予備知識のいるものまで、多様であるので計画的に収集する。

C図鑑は、文章による解説より図によって視覚に訴える方が、効果的に情報を伝えられる対象を扱っている。図録、図版、図説、図譜、写真集、図集と呼ばれるものも同じである。
a.植物や動物、美術の分野の各種の作品、歴史・考古学の遺物や史料、工学・産業分野の機器・製品などいろいろな分野の図鑑を収集する。

D年鑑は、年間の主要な事件・概観・統計・資料・名簿などの内容で、通常年1回発行される。
百科事典年鑑→百科事典の補遺を兼ね流動的な情報を求める場合に役立つ。
総合年鑑→あらゆる分野にわたる情報を収録し、当該年間の諸問題の記録が概観できる。
地域年鑑→特定の地域内の総合年鑑的な性格をもつ。
統計年鑑→統計が主体の年鑑であるが、総合的なものと専門分野を限るものとがある。
専門主題年鑑→特定の主題分野に関する年間の主要事項が概観できる。
a.どの主題ももれのないように収集する。

E年表は、歴史的な情報を年月順に配列し、表形式に編集してあるので一覧できる。一般的なものは、時代・地域の範囲によって分けられることがあり、専門的なものは、包括的なものから特殊専門的なものまで多様である。
a.ユニークな主題のものは特に積極的に収集する。

F地名関係の参考図書
地図帳→一般地図のほか歴史地図や特定の主題地図などを集めて冊子にしてある。
地名事典→さまざまな地名を見出し語として、位置・交通関係・沿革などが解説されている。
旅行案内書→旅行者向きに特定の土地・建造物・名勝旧跡・施設などの所在地、利用交通機関・風俗習慣・産業経済・行事などの情報が収録されている。
a.地図帳、地名事典、旅行案内書ともに豊富に収集する。

G人名関係の参考図書
人名事典→姓名・変名・読み・生没年・出生地・学歴・職歴・業績などが収録されている。一般人名事典のほか専門・職業によってつくられる専門人名事典がある。
名鑑→概して現存者について実録的で画一的な形式により解説されている。団体・機関に所属する職員録も名鑑の一種である。
人物文献索引→人名からその人に関する文献を検索できる。
難読姓名辞書→常識的には読めない特殊な読み方の姓名を、辞書風に編集してある。
系譜事典→人物・団体の系譜、諸芸の流派、学問の系統など、それぞれのつながりを図その他によって系統的に示している。
a.非常に多くの利用があるので各種豊富に、積極的に収集する。


3.参考図書以外の調査・研究資料
一般資料の収集方針の上にたって、なおかつ、それ以上に留意する必要のある点だけを次にあげる。

0類〜9類
(1)世界の名著・日本の名著といわれるものは、どの主題のものも収集する。

1類
(1)著名な思想家の著作及び古典的な書物は収集する。
(2)各宗教の教義、経典・宗典・聖典、教祖・宗祖に関することは収集する。

2類
(1)各国の歴史・地理は積極的に収集する。
(2)都市レベルの地図は海外に出かけることの多い今日、必要とされることが多いのでできる限り収集する。
(3)伝記については古典的な著名な人に限らず収集する。

3類
(1)憲法・民法・刑法・訴訟法など各種の法律に関するものは、入門的なものから専門的なものまで積極的に収集する。
(2)基本的な経済学書は収集する。
(3)経営管理・金融・租税に関するものは、新しい情報をタイムリーに収集する。
(4)各国の教育制度・教育事情などは積極的に収集する。
(5)風俗・習俗・民族に関することは、図版・写真などの豊富な資料を収集する。
(6)社会福祉、人権に関する資料は特に留意して収集する。

4類
(1)各分野の基礎的な理論・データはもちろん、新しい発見、新しい理論・概念についても社会の動向に遅れないように収集する。
(2)植物学・動物学の分野は、図版の多い美しいものを豊富に収集する。
(3)医学に関しては、病状・治療法・食事療法など詳しく説明されているものを収集する。薬に関する知識が得られる資料も収集する。

5類
(1)鉄道工学・自動車工学や生活科学の一部の分野を除けば、全般的に市立図書館レベルでは弱い分野なので、基本的な講座やシリーズの新しいものを収集する必要がある。
(2)環境問題に関する資料は積極的に収集する。
(3)製造業に関する資料は、できるだけ各種の業務をもれなく収集する。

6類
(1)社会的な関心によって分野の中での要求の偏りが大きい。農業・園芸・商業・通信事業などは今日的な問題なので豊富に収集する。また、他の分野については常に何が問題となっているか留意して収集する。
(2)ペット類の飼育方法などは、多種多様なものに関して収集する。
(3)貿易に関する資料も豊富に収集する。

7類
(1)各ジャンルの代表的な芸術家の作品・肖像写真など目に見える形の資料を豊富に収集する。美術全集などは収録作品が固定化されていないものを各種そろえる必要がある。
(2)特に現代の人の作品は出版されにくいので、個展の図録・目録や展覧会の図録・目録などは説明も詳しく、作品も豊富なので積極的に収集する。

8類
(1)日常の暮らしに役立つ語学書、古典的な文学作品の対訳などを豊富に収集する。

9類
(1)日本の文学作品及び作品研究・作家研究はできるだけ収集する。外国文学については著名なものはもちろん、注目を集めている国の作品・作家について見落とすことなく収集する。

 郷土資料
1.郷土資料の定義

 従来「郷土資料」と呼ばれる資料は、郷土堺に関する歴史的な資料という意味あいが強かった。しかし、最近では「郷土」という概念ではなく、その地域に住む住民が自らの生活を営むために学習・調査する、「地域」についてのさまざまな資料と考えられている。従って、歴史的な資料だけでなく今日的な資料まで幅広く含まれる。
「郷土資料」と呼ぶよりも「地域資料」とよんだ方がより適切な表現である。


2.地域資料収集の目的・意義

 地域資料の収集は、住民が @地域の歴史を知ることによって、過去の出来事や考え方を理解し、また A現在の地域資料を知ることによって、適確な状況把握や自主的な判断が可能になるために必要である。また、現在の地域資料の収集は数十年後の貴重な歴史資料を収集していることと同じである。
資料は、地域的に限定されるので、いつでもどこでも誰でもが手に入れられるとは限らない。地元の公立図書館が責任をもって積極的に収集する必要がある。


3.収集の範囲

(1)地域的な範囲
@堺を中心とした、現在の行政区域における大阪府全域、および必要に応じて歴史的経緯に見る関連区域(堺県、摂津・河内・和泉国など)も対象とする。
Aただし、ある特定のテーマについて重点的に収集する必要がある場合は、地域的な範囲に限定されないこともある(例 古墳)。

(2)地域資料の種類
@一般資料(図書)
A逐次刊行物(紀要・ミニコミ紙誌・同人誌など)
B文書(古文書・公文書)
C地図・絵図(古地図・古絵図も)
D行政資料
E写真
F視聴覚資料
G現代市民資料(チラシ・パンフレットなど)
Hその他(書簡・日記・軸・屏風・パネルなど)

(3)収集する主題の範囲
@地域に関するあらゆる主題を取り扱う。
例えば歴史、人物、地名、ことわざ、伝説・民話、地場産業、風俗習慣、教育、労働、植物・動物、文化財、文学作品、選挙など

(4)郷土人の規定
@堺で生まれた人、主な活動の場が堺の人(歴史的な人物に限らず現代的な人物も含む)。


4.収集にあたっての留意点

(1)一般資料
@部分的であっても、堺に関するテーマが掲載されている資料はできるだけ収集する。
A内容が堺に関係がなくても、堺在住の人の著作物は収集する。
B郷土人の著作のうちで、現在、職業として著作活動をしている人物のものは、できる範囲で収集する。

(2)逐次刊行物(新聞・雑誌)
@地方新聞、地域ミニコミ誌、学校新聞、PTA会報、同人誌などは、地域の歴史や文化状況がわかるので積極的に収集する。入手に困難な資料が多いので特に留意する。
A堺・大阪に関連する雑誌は豊富に収集する。企業のPR誌も収集する。

(3)文書(古文書・公文書)
@消滅・散逸のおそれが強い資料なので、入手できる限り収集する。
A古文書は寄託資料とされることが多いので管理にも留意する。
B公文書については、情報公開制度との関連で、収集と提供についてよく研究する必要があり、今後の課題である。

(4)地図・絵図
@古地図・絵地図は、特に入手のタイミングを失することなく収集する。
A地図類は貴重な資料となるので、各種豊富に収集する。

(5)行政資料
@堺・大阪府の行政機関の発行する資料は、すべて収集する。冊子体になっていない資料についても、必要に応じて加工・編集して提供するように努める。

(6)写真
@風景、人物、航空写真、図書館行事など、市販されるものだけでなく作成したものも豊富に収集する。パネルにしたりアルバムにするなど、提供・保存の形を考える。

(7)視聴覚資料
@郷土人の声のカセットテープや著作物のビデオやレコード、民謡や方言の音の資料など、視覚・聴覚に訴える資料も積極的に収集する。

(8)現代市民資料
@市民の文化的な活動の記録としての市民芸術祭や文化祭のパンフレット、プログラム、市民の経済状況の反映となるチラシや広告なども留意して収集する。

(9)その他
@各種の形態の資料を柔軟に積極的に収集する。

 児童資料

収集の基本的な考え方

1.図書館はすべての市民の知る自由を保障する機関であり、それは子どもたちにとっても同様である。子どもたちが読書の喜びを発見し、また自然の事物、社会の出来事に興味を持ち、将来に向かって視野を広げることに役立つよう努める。従って各分野において古典的なものから現代社会を反映したものまで、幅広く多様な資料を収集する。
また、利用の主体は子ども自身であるから、おとな・図書館員の価値判断で資料の善し悪しをきめつけることのないよう十分注意し、評価の分かれる資料についても、公平に自由な立場で検討し必要に応じて収集する。

2.奉仕対象が成長、発達の過程にある子どもたちであることから、次の点に留意して収集する。
(1)成長のそれぞれの段階に適した資料を内容・形態ともに豊富にそろえ、好奇心・探究心の旺盛な子どもの、今知りたいという思いを大切にする。何事かに関心を持った時が出会いの時と考え、適切な資料を提供できるよう日ごろから準備していく。必要に応じて一般書も収集する。
(2)子どもの読書は楽しくなくてはならない。その楽しさが子どもの知的・情緒的な発達を促すのに大切な役割をはたす。従って資料の芸術的・文学的な側面の他にも多様な観点から評価し収集する。
(3)子どもの成長にとっての読書や本の役割の大切さを考え、図書館利用に障害のある子どもたちが利用しやすい資料の収集に積極的に努力する(大活字本、拡大写本、さわる絵本、視聴覚資料等)。

3.新しいデータの資料をそろえる。教科の課題はもちろん、自由研究など調べものにたえうるよう、どの分野についても豊富にそろえる。

4.廃棄や書庫入れの際は補充に注意し、必要なものが欠本にならないよう十分注意する。


E 絵本

(1)赤ちゃんからおとなまで幅広い年齢層に親しまれ楽しまれているので、幅広く豊富に収集する。
(2)むかしばなしの絵本は日本の内外を問わず豊富にそろえる。同一書名で異なる著者のものなども各種とりそろえる。
(3)現代の創作についても、できるだけ幅広く収集する。
(4)科学的、実用的な内容の絵本も豊富にそろえる。


Y よみもの

(1)子ども向けに編集された日本と世界の古典は各種収集する。その際、翻訳本については完訳・抄訳とも必要に応じて収集する。
(2)読みつがれている近代・現代の創作児童文学もできるだけ幅広く収集する。
(3)現代の創作児童文学についても、日本の内外ともに幅広く収集する。特に、アジア、アフリカの文学はそこに住む人々や社会に対する理解と認識を深めるためにも留意して収集する。また、子どもに人気のあるものは、欠かさないよう注意する。


NA 自然科学(算数・理科)

(1)科学的な知識だけでなく、科学的なものの見方、考え方を学ぶことができるような資料を体系的に収集する。
(2)子どもの発達段階、理解力にあった内容のものを各種そろえる。
(3)図鑑や生きものの飼育、植物の栽培に関するものは、多種類にわたって調べられるよう各種のものをそろえておく。


NB 社会科学(歴史・地理)

(1)社会の新しい動きについて記述した資料は留意して収集する。
(2)歴史・地理ともに体系的に収集する。
(3)図版、写真、イラスト等を使って理解を助ける資料は留意して収集する。
(4)戦争・原爆についての資料は多様なものを積極的に収集する。
(5)伝記は評価の分かれるところであるが必要に応じて収集する。
(6)子ども向けに書かれた堺についての資料はできる限り収集する。


NC 趣味・スポーツ・あそび

(1)各分野とも豊富に収集する。
(2)季節的にたくさん必要になる工作やあそびの本も欠かさないよう注意する。
(3)音楽については楽器や歌の楽譜も積極的に収集する。
(4)スポーツはルールや技術について説明のやさしいものから詳しいものまで各種そろえる。
(5)子ども劇の台本、脚本集も収集に努める。


ND その他

(1)子どもの読書、子どもの本についての資料も積極的に収集する
(2)百科事典、各種辞典類は不足のないようそろえる。
(3)哲学、倫理、宗教、思想などがここに含まれるが、子どもの興昧や関心、悩みなどにも応えられるよう適切な資料収集に努める。


CO コミック

(1)子ども向けに描かれたコミックで、子どもの心を解放し楽しめるものを一つ一つ検討して収集する。


K紙芝居

(1)複数で楽しむことができるという特徴があり、子どもたちにも人気のある資料なので積極的に収集する。


新聞

(1)同年齢の子どもたちのくらしや学習、あそびなどについて、最新の情報を提供できる資料である。発行点数は少ないが、各種そろえるのが望ましい。


雑誌

(1)子どもにとっても雑誌は情報や記事内容の新しさで魅力的である。趣味的、実用的な内容のものは、単行本より利用者の希望にそいやすい場合も多い。できるだけ積極的に各分野にわたって収集するよう努力する。

雑誌
 雑誌には速報性という利点があり、新しく開発された分野、未確立の分野、範囲の狭い専門分野、局地的な分野など図書になりにくい主題の情報が得られる。また継続して収集することにより、時代を反映する風俗資料となり、レファレンスツールとしても重要である。
 このように、雑誌は一般資料と性格は違うが同じように重要である。現実の生活でも読書に占める雑誌の割合は高い。図書館が多種多様な雑誌を豊富に収集することは、利用者の要求を満たし、図書館をより一層身近なものとする。従って、収集の基本を次のように考える。

1.利用者の要求を、要求された館だけで受け止めるのでなく図書館全体として提供できるように、収集にあたっては連絡調整を密にする。

2.全分野網羅的な収集をこころがける。
(専門的な分野の雑誌は、コア・ジャーナルを優先する。)

3.利用者の要求を十分反映して収集する。

4.流通にのらない雑誌についても考慮する。

5.各図書館の役割と地域の特性を考慮して収集する。

6.各主題の必要度および利用のための保存状況に応じて、複数部収集も考える。

7.欠号補充および復刻版の収集にも努める。

8.寄贈雑誌は各館の収集方針(図書も含む)との関連性・所蔵の有無を考慮したうえ、購入雑誌と同様に検討して積極的に収集する(特に専門誌)。

付録・資料1

図書館の自由に関する宣言-1979年改訂-(主文)


 図書館は、基本的人権のひとつとして知る自由をもつ国民に、資料と施設を提供することを、もっとも重要な任務とする。
この任務を果たすため、図書館は次のことを確認し実践する。
 第1 図書館は資料収集の自由を有する。
 第2 図書館は資料提供の自由を有する。
 第3 図書館は利用者の秘密を守る。
 第4 図書館はすべての検閲に反対する。
図書館の自由が侵されるとき、われわれは団結して、あくまで自由を守る。

付録・資料2

図書館員の倫理綱領-1980,6.4日本図書館協会総会決議-


 この倫理綱頷は、「図書館の自由に関する宣言」によって示された図書館の社会的責任を自覚し、自らの職責を遂行していくための図書館員としての自律的規範である。
(図書館員の基本的態度)
 第1 図書館員は、社会の期待と利用者の要求を基本的なよりどころとして職務を遂行する。
(利用者に対する責任)
 第2 図書館員は利用者を差別しない。
 第3 図書館員は利用者の秘密を漏らさない。
(資料に関する責任)
 第4 図書館員は図書館の自由を守り、資料の収集、保存および提供につとめる。
 第5 図書館員は常に資料を知ることにつとめる。
(研修につとめる責任)
 第6 図書館員は個人的、集団的に、不断の研修につとめる。
(組織体の一員として)
 第7 図書館員は、自館の運営方針や奉仕計画の策定に積極的に参画する。
 第8 図書館員は、相互の協力を密にして、集団としての専門的能力の向上につとめる。
 第9 図書館員は、図書館奉仕のため適正な労働条件の確保につとめる。
(図書館間の協力)
 第10 図書館員は、図書館間の理解と協力につとめる。
(文化創造への寄与)
 第11 図書館員は、住民や他団体とも協力して、社会の文化環境の醸成につとめる。
 第12 図書館員は、読者の立場に立って出版文化の発展に寄与するようつとめる。

付録・資料3

図書館法-1950年制定/最終改正2008年-

第2章公立図書館
(職員)
第13条
 公立図書館に館長並びに当該図書館を設置する地方公共団体の教育委員会が必要と認める専門的職員、事務職員及び技術職員を置く。
2 館長は、館務を掌理し、所属職員を監督して、図書館奉仕の機能の達成に務めなければならない。
3 省略